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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


チンパンジー

Photo by Thomas Lersch

薬草を見つけるチンパンジー

ヒントとなる自然:動物(チンパンジー)

<写真>チンパンジー
Creative Commons

何がすごいの?

私たちは、病気になったときや体の具合が悪いとき、薬を飲んで体調を回復させます。動物の場合はどうでしょうか?犬を飼っている方はよく知っていると思いますが、犬は胃の調子が悪いとき、草を食べて調子を戻します。これと同じような行動を、野生のチンパンジーもすることがアフリカで確認されています。

タンザニアにある国立公園に、弱ったオスのチンパンジーがいました。寄生虫病にかかったらしく、飼育員がいくら餌を与えても食べようとしません。ある日、このオスのチンパンジーは、森である種の植物の茎の皮をはぎ、中の髄(ずい)をしかめっ面をしながら吸っているのが観察されました。次の日、このチンパンジーは体調を取り戻し、元気になりました。

その後の分析で、この草はヴェルノニア(Vernonia amygdalina)というキク科の薬草であり、寄生虫の産卵を抑制する成分が含まれていることが判明しました。さらに、この薬草の葉や樹皮には毒があり、チンパンジーが毒のない茎の髄だけを吸っていた行動が理にかなっていたと言えます。誰かに教えられたのではなく、チンパンジーは本能的に最適な薬草を見つけ出す能力、いわば自己治療能力を備えているのです。

どうやって役立てるの?

現在開発されている新薬の四分の一は植物由来で、さらに何十万もの検査をされていない薬理効果の可能性のある化合物を持つ植物が知られています。もし、あなたが新薬を探すとしたら、どこから探し始めますか?いろいろな種類のある植物の中から新薬を選びぬくのには、何百年もかかるかもしれません。

そんな時、チンパンジーの自己治療の能力を利用できればとても役に立ちます。チンパンジーが自己治療に使う薬草は、ヴェルノニア以外にも多くのものが観察されています。

例えば、イチジク属の薬草(Ficus exasperata)を、チンパンジーはかまずに飲みます。この薬草は、チンパンジーにとって危険な腸内の寄生虫を殺す物質が含まれ、しかも、大腸菌などチンパンジーに欠かせない有用細菌には悪影響を及ぼしません。この薬草を飲み込むことで、かむことによって破壊されやすい物質を最大限利用していることもわかりました。

このように自己治療(セルフメディケーション)の能力を持つとされるチンパンジーの食性を観察し、薬草の研究をすることで、新薬の開発につながるでしょう。

どんな研究をしているの?

京都大学霊長類研究所では、アフリカ・タンザニアのマハーレ国立公園でチンパンジーの自己治療行動について研究しています。

チンパンジーの使う薬草は、現地の生活で虫下しや下痢止め、解熱剤、抗菌薬などとして病気の際に使用されるものもあります。京都大学霊長類研究所のハフマン准教授は「昔から言い伝えられ、利用されてきた薬草に代表されるような民間薬は、近代化で地球上から急速に消えつつあります。薬草の知識を霊長類に学び直し、途上国の貧しい家庭や畜産を助けたい。」と考えています。

どんな技術開発ができる?

私たちの生活の中に当たり前にある医者や薬は、野生のチンパンジーの世界にはありません。そんなチンパンジーにとって胃が悪くなるのは死活問題です。ご飯を食べられなくなるからです。チンパンジーの薬草には虫下しや下痢止め、解熱剤、抗菌薬など胃腸の調子を直すものが多く発見されていて、胃腸薬を中心に新薬開発が行われています。

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掲載日:2010年12月 6日

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