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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


自由自在に水分を操るオクラ

ヒントとなる自然:植物(オクラ)

<写真>オクラ
Creative Commons

何がすごいの?

オクラといえば、納豆や山芋のようにネバネバ系の食材として知られています。オクラは熱帯の北アフリカ出身で、高さは1mから2m、先の尖った葉を持ち白い花を咲かせる植物です。私たちはオクラのさや(種の入った部分)を食べています。この種が、他の植物とはちょっと違うのです。

乾燥した環境では、オクラの種の表面は硬くなり、種子の中から水分が逃げるのを防ぎます。このようにして、種の内側の貴重な水分を外に逃がさないようにしているのです。種の表面には「柵状細胞」と呼ばれる円柱形の形をした細胞がぴったりと並んでいます。これらの細胞が厚くなり、種の表面がより硬くなって水を外へ逃がさないのです。オクラの種表面に並んでいる細胞構造は、水分の流出を防ぐ壁の役割をするのです。

どうやって役立てるの?

オクラの種の皮は、乾燥した外の空気に種の中の水分を出さないためのものです。この性質をもった、オクラと同じような素材を人工的に作ることができれば、食品の保存に役立ちます。この素材から作った袋や箱に野菜を入れておくと、野菜から水分が逃げにくくなり、長い間新鮮に保存しておくことができるでしょう。

また、この素材はオクラと同じ植物性です。プラスチックの袋は捨てると、埋め立てられたり、リサイクルされます。しかし、そのときもたくさんのエネルギーが必要になってしまいます。オクラと同じ素材であれば、使い終わった後は生ゴミと同じように肥料として利用できます。

どんな研究をしているの?

周りの湿度によって、オクラの種が変化する様子が研究されています。周りが乾燥すると、種の表面は縮まり、種の表面に隙間なく並んでいる柵状細胞の層が厚くなります。オクラの種類や、周りの湿度によって種表面の硬さと種の保湿力(水分を保つ力)が変化することが分かっています。

どんな技術開発ができる?

オクラの種は、周囲が乾燥状態になると種の表面が縮んで水が通りにくくなります。この仕組みは、新しい保水技術の開発に役立つかもしれません。しかも、乾燥地域ほどこの技術は役立ちます。

例えばミャンマーの中央乾燥地域では井戸による水供給が大変重要です。オクラの種と同じ材料で井戸の外側を覆うことにより、蒸発する水の量を減らすことができます。また、畑で野菜を作るときも、オクラの種のようなシートを開発できれば、その新しいシートで畑をビニールハウスのように覆い、土からの無駄な水分の蒸発を防ぐことができます。

周りが乾燥したときに、硬い素材に変化するようなシートを開発できれば、今までより少ない水でも作物が育ち、今まで水が足りないために農業ができなかった地域でもできるようになるかもしれません。

<参考文献>
Villavicencio MLH,Mabesa RC,Anatomical changes in the seed coat structures of three Abelmoschus species (Moench.) at different moisture content levels,THE PHILIPPINE AGRICULTURAL SCIENTIST,85,1,6-14,2002

<関連リンク>
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オクラ:福岡教育大学教育学部 福原達人准教授のページ

掲載日:2010年11月25日

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