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自然から学ぶアイデアの源泉 ネイチャーテック


ザトウクジラの胸ビレ

Photo by Michael Dawes

ザトウクジラのヒレは省エネ設計

ヒントとなる自然:動物(ザトウクジラ)

<写真>ザトウクジラの胸ビレ
Creative Commons

何がすごいの?

ザトウクジラは体長の3分の1ほどもある長い胸ビレを持っているのが特徴です。よく見ると、ヒレの前縁にはコブがついて凸凹(でこぼこ)しています(写真)。ジェット機のように高速で進む場合は、翼の前縁部分が滑らかな方が、水や空気の抵抗は小さくなります。ザトウクジラのヒレは前縁部分が凸凹しているので、抵抗が大きくて泳ぐことに適さない形のように見えます。

ところが、比較的ゆっくりした速度で泳ぐ場合には、ザトウクジラのようにヒレの前縁部に凸凹があるほうが都合良いのです。ヒレの周りを水が流れる時に、凸凹の「谷」にあたる部分の後方に渦が発生します。この渦が、ヒレの後方部分での水の流れをスムーズにすることで、水の抵抗を抑えつつヒレには揚力(翼を持ち上げる力)を生じさせます。そのため、ゆっくりと泳いでいてもザトウクジラは失速して沈むことはありませんし、方向転換する時もエネルギー消費を抑える事ができます。

ザトウクジラの胸ビレは、すばらしい省エネ設計でできているのです。渦を発生させて揚力を得る仕組みは、トンボの羽ととてもよく似ていますね(「トンボに学ぶ新しい羽の形」)。

どうやって役立てるの?

前縁部分が凸凹の翼を風力発電の回転翼に利用すれば、風の流れが遅い時にも回転して発電でき、さらに空気抵抗を抑えることで低騒音・低震動の風力発電器の開発が期待できます。

低速でも揚力を得られる仕組みは、ヘリコプターやジェットエンジンの新しい回転翼、船や潜水艦の新しい舵、エアコンの新しいファンなどに役立てることができます。

どんな研究をしているの?

ホエールパワー・コーポレーション社は、このザトウクジラのヒレの形を応用した風力発電の回転翼の特許を取得しました。模型を使った実験から、前縁部分に小さなコブを真似たギザギザを付けた翼は、これまでの滑らかな翼と比較して、空気抵抗を32%減らし揚力を8%向上させることがわかりました。

今後の実験では、風の流れが緩やかな条件で、発電を最大にするための風向きに対する回転翼の最適角度や、コブの最適な配置について調べる予定でいます。

どんな技術開発ができる?

新しい形の回転翼を備えた風力発電が実現すれば、これまでの風力発電とは違って、風速の遅い地域でもゆっくりと回る回転翼で発電をすることができるかも知れません。また回転しても低騒音なので、周辺の自然や住民に影響を与える心配もありません。

<関連リンク>
トンボに学ぶ新しい羽の形
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ジャイアント・ケルプに学ぶ新しい波力発電
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掲載日:2010年11月15日

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