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ものづくりの原点


第91回

先端技術と匠の技の融合で歯車業界をサポート[大阪精密機械]

吉岡功二社長

吉岡功二社長

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大阪精密機械(大阪府東大阪市、吉岡功二社長、06-6782-0646)は、歯車の精密加工とその品質管理に不可欠な歯車専用測定器の開発・製造のパイオニア。歯車測定器のシェアは国内で70−80%を持ち、特に自動車関連では90%を誇る。

ユーザーから求められるマイクロメートル単位の測定精度と大量生産に対応できる測定速度を、最先端技術の開発と長年の匠(たくみ)の技との融合によって実現している。

従来の10倍の高精度測定器開発に着手

世界にさきがけ電子創成式歯車測定機を発表して以来、ソフトウェア開発も手がける同社。測定からデータの解析・利用ソリューションまで一貫して提供する

世界にさきがけ電子創成式歯車測定機を発表して以来、ソフトウェア開発も手がける同社。測定からデータの解析・利用ソリューションまで一貫して提供する

同社が製造する歯車測定器は3次元測定器を応用している。一般的な3次元測定器は測定対象を点で捉えるのに対して、同社製の測定器は測定物の形状を連続的に面で捉える。

歯の形状や間隔のデータを精密に捉えて測定することで測定精度を高めている。全自動の計測も可能で、通常の3次元測定器を使用した場合と比べても約10倍の測定速度、精度を実現している。

現在、同社は0.1μmという世界最高の精度を持つ歯車測定器の開発を進めている。自社の従来製品と比べても10倍の精度を持つ測定器で、電気通信大学や九州大学との産学連携による開発を進めている。

同社は1963年からは京都大学と、そして65年からは東京工業大学とそれぞれ歯車に関する技術交流を行うなど、早い時期から大学と連携して技術開発を行ってきた。

「中小企業単独の力では世界最高の精度は出せない。常に最新の技術を他から吸収する」(吉岡社長)のが製品開発の方針だ。

産学連携の技術開発と並んで、同社が高性能な測定器を実現できるのは職人による匠の技があるからだ。特に精密仕上げ加工である「キサゲ加工」を行う職人は厚生労働省の「現代の名工」に表彰されている。その技能は折り紙付きで、専用工具により測定器の駆動部の摺動(しゅうどう)面を仕上げる。

平面研削盤による機械加工でさえ0.003mmという精度なのに対し、キサゲ加工で0.001mmを実現する。しかも摺動面に機械加工ではできない微小な凹凸を形成することにより、そこが油だまりとなり、なめらかな動きを可能にする。

同社でキサゲ加工を行う職人は7人を数え、最年少は20代と社内で匠の技が着実に伝承されている。

顧客支援のため歯車校正事業をスタート

同社は6月から歯車の校正機関事業を開始した。これは歯車メーカーが製造する歯車の品質データを保証する事業で、4月に経済産業省所管の独立行政法人である製品評価技術基盤機構から歯車の校正機関としての認証を受けた。

これに伴い工場内に「歯車測定センター」を開設し、品質管理担当者などを配置。もちろん同事業には自社製の歯車測定器を使っている。

歯車校正事業にチャレンジした狙いについて、吉岡社長は「(歯車測定器の顧客である)国内歯車メーカーの販路拡大に役立ちたかった」という。歯車を海外販売するケースなどで品質データが重要なためで、それを提供して顧客を支援する。

測定器で圧倒的なシェアを持つ同社が校正事業へ参入したことによって、その存在は歯車業界でますます大きくなりそうだ。


掲載日:2008年7月10日

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