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ものづくりの原点


第84回

新たなMEMS製造工程の確立で日本の電子部品のポテンシャルを上げる[鷹羽産業]

阪本行社長

阪本行社長

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独自の印刷工法でMEMS開発に取り組む

特殊印刷で最先端をひた走る同社。世界レベルの技術で日本のものづくりのポテンシャルの向上にチャレンジする

特殊印刷で最先端をひた走る同社。世界レベルの技術で日本のものづくりのポテンシャルの向上にチャレンジする

鷹羽産業(大阪市住吉区、阪本行社長、06-6693-2703)は、兵庫県立大学とナノクリエート(兵庫県姫路市)と共同で、印刷技術を応用した微小電気機械システム(MEMS)製造工程の確立と、同工程を用いて製造する極小傾斜センサーの開発を進めている。

これは立体面であっても一工程で印刷できる同社独自の技術を活用するもの。金属部品のエッチング加工などを印刷加工に置き換えることで、加工時間の大幅な短縮と、約80%の低コスト化を実現する。3者はすでに技術開発に必要な装置の製造を終わらせており、08年度から実証実験を開始する。


特殊印刷機メーカーの技術を生かす

「20年前から立体面にマイクロレベルの印刷はできたが、それがMEMSに使えるとは思っていなかった。井の中の蛙だった」と阪本行社長は苦笑する。

同社は特殊印刷機メーカーとして72年に大阪市住吉区で創業。ゴムロールを使用した印刷機を製造しており、その製品は凹凸面や球体面でも通常の印刷と変わらず印刷できる強みを持つ。

通常の印刷機は50μm(1μmは1000分の1mm)サイズの印刷が限界だが、同社製品は15μmサイズの印刷が可能だ。

同社がMEMS開発に乗り出したきっかけは兵庫県立大学の服部正教授からの提案だった。微細なデバイスながら高コストという問題があったMEMS製造の新たな技術確立を目指すに当たって、服部教授は同社のマイクロサイズの印刷能力に着目した。

鷹羽産業と兵庫県立大、さらに製品販売を担当するナノクリエートと3者はコンソーシアムを組み、経済産業省の「基盤技術高度化支援事業」に応募し、07年8月に認定を受けた。

阪本社長は「MEMSの話をいただいた時に、直感的に当社の技術で可能だろうと考えた」と振り返る。だが、「装置製造などにかかる費用は中小企業にとって頭の痛い問題。研究が順調に進んでいるのは経済産業省の支援のおかげ」(阪本社長)としている。

最大の課題は印刷した金属の高さ

技術確立の最大の課題は、電子回路を印刷した際に、金属が横に流れてしまい必要な高さが得られないことだった。エッチング工程では高さと底面を1対1にすることが可能だが、印刷で加工すると金属が横に流れてしまい、高さを保つことができない。

現在は、試行錯誤を繰り返している段階だが、「技術的には不可能ではない」(同)と自信を見せる。すでに技術開発に必要な装置、治具の開発を完了している08年度に実証実験を進めて技術を確立し09年度に傾斜センサーを製造する計画だ。

阪本社長は、中小企業が海外企業との価格競争に巻き込まれ苦戦している現状に憂慮する。「MEMSの工業化は、日本の電子部品のポテンシャルを上げる。日本のものづくりに役立つ重要な事業だ」(同)と意気込む。中小企業の小回りを生かしながら、独自の開発を続ける同社の活躍にこれからも目が離せない。


掲載日:2008年5月22日

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