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ものづくりの原点


第82回

多様なメッキ技術の高度化で事業を拡大し続ける[旭鍍金]

藤川勝彦社長

藤川勝彦社長

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旭鍍金(津市、藤川勝彦社長、059-234-9555)はメッキの前処理から後処理まで、一貫生産を得意とする。また槽に浸けて処理する一般的な静止メッキに加え、バレルメッキ、フープメッキと幅広い処理方法を手掛ける。

メッキを施すワークは配線器具や電子機器、制御機器などの小物部品が多く、メッキ素材も金、銀、銅、スズ、ニッケル、亜鉛など多岐に及ぶ。時代やニーズに応じて常にメッキ技術の高度化に挑み、事業を拡大してきた。

バレルメッキで不良品ゼロを達成

処理部品によって治具やメッキ槽の構造、処理手順が異なるため、部品ごとに装置を開発。それら装置によってメッキの前処理から後処理まで一貫生産する。写真は超小物メッキ用バレル

処理部品によって治具やメッキ槽の構造、処理手順が異なるため、部品ごとに装置を開発。それら装置によってメッキの前処理から後処理まで一貫生産する。写真は超小物メッキ用バレル

同社の売上高は現在16億円(08年3月期見込み)。その内訳は静止メッキ1割、バレルメッキ6割、フープメッキ3割。一般的に多い静止メッキが主力でないところが大きな特徴だ。

売り上げの主軸となっているバレルメッキは加工対象物(ワーク)を入れる容器のバレルを槽に浸け、回転しながら処理する。そのため緻密(ちみつ)なメッキが可能となる。しかしバレルには多数の穴が開いており、小さなワークだと穴に引っかかり不良品の原因となる。

そこで同社はワークの大きさや形状により最適なバレルを設計し、例えば線材の直径が0.01mmの超小バネでも不良品を出さない処理を実現している。

「不良品がゼロのためワーク選別作業の必要がなく、コストダウンにもつながる」(藤川勝彦社長)という。

03年には新分野のフープメッキに参入した。これはテープ状の金属シートを連続的に処理できるメッキで、電子部品の接点のメッキなどに適している。

新規導入したフープメッキ設備は「東海地区でも数社、全国でも十数社しかないのでは」(同)というもので、全国各地から発注が舞い込んでくる。

電子部品の接点は、まず腐食防止のため銅材全体にニッケルメッキを施し、その上に金メッキして電導性を持たせる。同社は08年1月に1億円をかけて部分フーブめっき設備を導入、金メッキを必要な部分だけにできるようにした。

これにより金メッキの材料代が3割も削減でき、顧客企業からも高い評価を得ている。

高耐食性メッキの実用化目指す

同社は現在、中小企業ものづくり高度化法に申請して「高耐食性メッキプロセスの研究開発」に取り組んでいる。プリント基板の実装工程では従来、電子部品の接点などをスズと鉛の合金でハンダ付けしていた。しかし環境問題から鉛が使えず、現在ではスズと銀や銅の合金のハンダ付けが求められている。

一方でこの合金は融点が従来より高いため、金メッキ部分の表面のピンホールを埋める封孔処理剤が劣化し、下地のニッケル層が腐食しやすくなるという課題があった。

そこで同社はピンホールを埋める封孔処理剤処理を行わず、従来の金メッキ部分をスズ、パラジウム、金メッキの多層メッキとし、腐食を防ぐことにした。

さらに下地のニッケル層を特殊スルファミン酸ニッケルメッキ被膜を施して表面層の電位差を小さくした。これらの結果、多層メッキ層が薄くなっても耐食性に優れた金メッキが可能になった。

実験では封孔処理剤処理をした従来の接点と同等以上の耐食性を確認しており、同社は今後、実用化を目指す考えだ。


掲載日:2008年5月 8日

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