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ものづくりの原点


第81回

複合化技術で多様な製品開発を目指す[渕上ミクロ]

上田享社長

上田享社長

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市場ニーズを見通す力で世界トップレベルの製品開発に挑戦

渕上ミクロ(鹿児島市、上田享社長、099-269-4121)は、各分野の要素技術を複合化した電子部品や半導体関連製品の製造に強みを持つ。母体は渕上印刷(鹿児島市)精密事業部。

半導体関連メーカーの進出や鹿児島県内に工場を構える京セラの地場調達開始に合わせて、79年に独立。以降、印刷や写真製版のノウハウを応用した画像転写技術を核に製品開発を展開し、産学官連携にも精力的に取り組んでいる。

上田社長は「お客さまとの対話を通じて、市場ニーズを見通す力を養い、製品開発に挑戦する人づくりを目指している」という。

現在、液晶やプラズマディスプレイ用などのフォトマスク製造では世界シェア約20%を占める。またフォトケミカルエッチング事業ではパソコンのハードディスク用サスペンションや半導体パッケージのリードフレーム、さらにプリンターで使われるインクジェット部品製造にも力を入れている。

さらに複合材加工では銅、ポリイミド、ステンレスの三層材をベースとした金属のエッチングや新技術の樹脂エッチングでサスペンションブランクスを開発するなど、その高い技術力は折り紙つきだ。

「冷やす技術」を追求し、高性能冷却部材の開発へ

微細3Dウィック(毛細管構造)と冷媒を内部に有するヒートスプレッダー(FGHP)は、実効熱伝導度が飛躍的に向上。ハイエンドのプロセッサやシステムLSIのパッケージングへの応用が期待される

微細3Dウィック(毛細管構造)と冷媒を内部に有するヒートスプレッダー(FGHP)は、実効熱伝導度が飛躍的に向上。ハイエンドのプロセッサやシステムLSIのパッケージングへの応用が期待される

現在、進めている高性能冷却部材の開発は07年度、経済産業省の「ものづくり基盤技術支援事業」に選ばれた。自動車の電装化に伴い、車載半導体や自動車照明用高輝度発光ダイオード(LED)からの発熱が増加している。そのため熱を「冷やす技術」を開発し、製品化することがテーマだ。

電装化する自動車は部品搭載可能スペースが限られているため、小型で高性能な冷却部材の開発が求められる。そこで高精細加工技術を活用した高効率冷却部材のFGHPというヒートスプレッダを新たに開発した。

その仕組みは極薄の金属シート内部に冷媒と毛細管部材で形成したヒートパイプ構造。独自のエッチング技術と特殊金属接合技術を組み合わせた。最小サイズは1辺が1.2mm。

FGHPの熱源冷却性能を銅製ヒートスプレッダと比較すると、銅製ヒートスプレッダが中央部にホットスポットができるのに対し、FGHPの表面温度は「ほぼ均一に温度を平滑化し、熱を拡散させる優れた効果がある」(同)という。

さらに約120Wの高い入熱量まで、冷媒がドライアウトせず、特性変化はないという。そのため例えば従来のヒートシンクだと半分以下に小型化できる特徴がある。今後、FGHPのさまざまな複合化技術を開発していく計画で、主に車載用半導体や高輝度LEDの冷却部材としての利用を見据えている。

そのため「自社にない技術を取り入れるには産学連携のスキームを作り、大学の頭脳を活用することも重要」(同)と技術開発のスタンスにも柔軟な姿勢で取り組んでいる。

上田社長は「『冷やす技術』をキーワードに既存のコア技術を生かした複合化技術で製品開発し、本格的に販売していきたい」と期待する。


掲載日:2008年5月 1日

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