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ものづくりの原点


第79回

塑性加工技術による極薄物加工に挑む[ベローズ久世]

本田稔社長

本田稔社長

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世界品質と世界水準への徹底したこだわり

ベローズ久世(石川県河北郡津幡町、本田稔社長、076-289-2131)は、電力設備や空調機器、半導体製造装置などに使われている金属ベローズ(蛇腹)製造のパイオニア。1939年の創業以来、業界を代表する世界のスタンドードブランドとしての地位を築いている。

その自在な伸縮性・曲げ特性、高気密性からさまざまな分野で新たな可能性を拓く高性能部品として注目を集めている金属ベローズ。その製造には金属材料のシームレスチューブを蛇腹にするための液圧成形(バルジ)加工など、高度な塑性加工技術が必要だ。

本田稔社長は「加工が難しい硬質、薄物ベローズは得意とするところ」と胸を張る。使用する金属材料は多種類に及び、ステンレスや銅合金など材質に合わせた加工ノウハウの蓄積も同社の強みとなっている。

技術ノウハウの蓄積で多種類のベローズを生産

塑性加工技術の粋を集めた超塑性加工品や金属製異形成形品群。特に他社では類を見ない「極薄肉加工品」の技術力の高さは群を抜いている

塑性加工技術の粋を集めた超塑性加工品や金属製異形成形品群。特に他社では類を見ない「極薄肉加工品」の技術力の高さは群を抜いている

同社はバルジ加工のほか、溶接加工、ロール成形加工など製法によっても多種類のベローズを手掛ける。これらの製造には冷間深絞りから、金属の肉厚を薄くするしごき、極薄板のプレス、溶接などまで多くの加工技術を要し、さらに金型設計や潤滑技術も必要となる。

またベローズ製造で培った超精密塑性加工技術をベースに開発された金属ダイアフラムも主力製品だ。これは20μm−30μm(1μmは100万分の1)の薄板をプレス機で波紋状の凹凸や球面形に成形したもので、主に圧力センサーなどの重要部品として使われている。

なかでもデジタル血圧計は同社のダイアフラムを用いた代表的な製品で、同製品向けではトップシェアを誇っている。

最も多く生産するリン青銅製ダイアフラムは肉厚が50μm。この厚みは「家庭用アルミ箔の4分の1」(本田社長)という超精密部品。血圧や脈拍をダイアフラムのわずかな形状変化で感知するため、加工の高精度さに加え、安定した品質が求められる。

その製造工程はリン青銅の材料を冷間圧延加工で箔状に薄くし、次にプレス機で成形、打ち抜く。その後、厳密な検査工程を経て出荷する。

「いまの月産枚数は50万枚。しかし精度と品質を維持するためには、これ以上の増産は困難」(同)という。そのため同社では現状の製造技術をさらに高度化することを追求している。加えて「生産ラインを自動化し、生産性を高めればより多くの顧客のニーズに応えられる」(同)という考えだ。

ダイアフラムの無人化生産システムの開発へ

このため同社は経済産業省の「中小企業ものづくり高度化法」の認定を受けて「軟質金属箔プレス成形品の無人化生産システムの技術開発」という技術テーマに挑んでいる。この取り組みは「5合目まで来た」(同)とし、着実に技術課題を解決している。

今後の課題は金型の摩耗によるバリ対策。現在は人手による製品検査で金型の摩耗度合いを把握して、プレス機の成形条件を補正している。

検査の自動化や補正作業に必要な情報をデータベース化できれば、無人化生産システムの完成に大きく近づくことができる。この完成は同社にとって大きなブレークスルーとなるだけに、頂上を目指す足取りにも力が入る。


掲載日:2008年4月17日

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