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ものづくりの原点


第74回

アルミ鋳造筐体の新工法に挑戦[サンワアルテック]

野沢秀男社長

野沢秀男社長

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セミソリッド工法で強度を高める

サンデンのグループ会社、サンワアルテック(群馬県伊勢崎市、野沢秀男社長、0270-31-4131)を中心とするM&Dテクノ研究協同組合は06年度、アルミ鋳造技術で高度化法の認定を受けた。テーマは「高強度・高耐圧アルミ部品の新工法開発」だ。

これは自動車の環境対策進展に対応できるカーエアコン用コンプレッサーの筐体を量産するため、新たな工法を確立することを狙いとしている。07年度には戦略的基盤技術高度化支援事業にも採択され、3年間で約1億円の補助金を受けることが決定した。同協同組合にはほかに旭産業(埼玉県本庄市)、蔵前産業(前橋市)が参加している。

カーエアコン用コンプレッサーのアルミ筐体

カーエアコン用コンプレッサーのアルミ筐体

新工法として確立を目指すのはセミソリッド(半凝固)鋳造。半分固化した状態で鋳造するセミソリッドは内部欠陥(鋳巣)ができにくいのに加え、従来工法では樹枝状だった結晶が球状になるため、強度が高まるという特徴がある。

高度化法の認定を受ける前から、コンプレッサーの単純形状小物部品について取り組んでおり、筐体はその延長線上に位置する。だが現時点ではサイズが大きく形状も複雑な筐体では簡単にはいかない難点がある。

「とくに常に一定の条件でセミソリッド状のアルミを金型に流し込むための温度制御と、流し込み方に難しさがある」(野沢社長)という。外部の力を借りて、この難題を突破することが高度化法利用の狙いだ。

欧州車の環境対策進展に対応

サンワアルテックは親会社であるサンデンのカーエアコン用コンプレッサーを生産する八斗島事業所(群馬県伊勢崎市)のアルミ鋳造部門が分離・独立し、99年に発足した。サンデンの同コンプレッサーの世界シェアは約25%。コンプレッサー用アルミ筐体の長年にわたる生産を通し、確立した精密真空鋳造技術と全自動高効率生産ラインが同社の強みとなっている。

このテーマに取り組まざるを得ない背景には、サンデンがシェア約40%を誇る世界で最も強い欧州で、自動車の環境対策が最も進んでいるという事情がある。現行冷媒が二酸化炭素(CO2)など環境に優しい代替冷媒に切り替わると、「気密性や強度の向上への要求が高まる」(同)。

そうなると従来工法の筐体では十分に対応できない。そこで欧州車に代替冷媒コンプレッサーの搭載が始まるとされる2010年度を見据え、新工法の開発を進めている。

アルミ筐体の強度を引き上げるには鍛造品を用いることが選択肢の一つだが、同社の場合は「コスト低減を図り、保有する鋳造機による新工法を開発することが大前提」(同)となるという。原料を鉄に切り替える、アルミの使用量を増やすなどにより頑丈にするといった対策では、燃費を向上させるための軽量化の流れに反する。

しかし「早期に新工法を確立しなければ、競合する素形材メーカーに負けてしまう」(同)というように、鋳造の専業メーカーである同社にとって新工法の確立はこれからの社運を握る極めて重要なテーマ。新しい工法の常識を目指してトップメーカーの挑戦は続く。


掲載日:2008年3月 7日

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