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ものづくりの原点


第66回

環境配慮の高機能メッキでクリーン体制を築く[桑名商事]

桑名朗社長

桑名朗社長

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桑名商事(栃木県真岡市、桑名朗社長、0285-82-4638)は、少量多品種の付加価値の高いメッキ技術を保有。自動車部品、金型など1,300社の取引先に1日300品目を送り出している。

06年には関東経済産業局の「戦略的基盤技術高度化支援事業」を受けた。六価クロムや鉛などの有害物質を使わない新たなメッキ「有害物質フリー高機能めっきの開発」をテーマに技術開発を進めている。

これには桑名商事のパルス・無電解メッキと東京工業大学大学院理工学研究科の佐治哲夫教授の微粒子研究成果、宇都宮大学大学院工学研究科の進村武男教授の被膜評価技術を持ち寄る計画だ。

ナノ粒子で高耐摩耗性を目指す

別棟には分析装置やレーザー顕微鏡などの検査装置が備えられ、技術者が加工後すぐに自ら被膜検査ができる

別棟には分析装置やレーザー顕微鏡などの検査装置が備えられ、技術者が加工後すぐに自ら被膜検査ができる

ダイヤモンドやセラミックスなどを直径10nm−100nm(1nmは10億分の1)の粒子にしてメッキ液に混ぜる。これらを均一に被膜することでクロムメッキ以上の耐摩耗性、潤滑性、耐腐食性の実用化を目指している。現在は粒子の大きさ、混入量、電流の流し方などの最適化を研究中だ。

またダイヤモンドなど粒子を六価クロムや鉛の代替とすることは環境負荷の低減にも大きく役立つ。現在主流のクロムメッキは低コストだが、多額の廃棄物処理など対策費がかかる。メッキ業界にとって環境対策は大きな課題であり、新技術の採用によってクリーン体制の構築につなげる狙いだ。

環境面だけでなく、高機能メッキとしての期待も大きい。例えば自動車業界では軽量化のために樹脂製部品の採用が進んでいるが、新樹脂による成形はガラス成分など不純物を含むため射出成形機や金型を傷めやすい。

このため表面処理には耐熱性、耐摩耗性が従来の処理と比べてより強く求められる。耐久性を持たせることで段取りの手間を省き、メンテナンスや消耗部品コストを削減できるようになる。

技術開発と環境対策を両立

同社は以前から技術開発と環境対策の両立に注力してきた。環境性能に優れ、かつ顧客ニーズに対応する独自のメッキ液の開発は同社の永続的なテーマ。そうした取り組みがWIN-WINのスパイラルを生み出す結果にもなっている。

広範囲の独自表面処理技術を保持し、徹底的に顧客ニーズと品質、環境にこだわる取り組みが行われている。工場内(左)と検査室での検査・評価作業(右)

広範囲の独自表面処理技術を保持し、徹底的に顧客ニーズと品質、環境にこだわる取り組みが行われている。工場内(左)と検査室での検査・評価作業(右)

現在、専任研究員は5人。工場に隣接する別棟には分析装置やレーザー顕微鏡などの検査装置を備え、技術者が加工後すぐに自ら被膜検査ができる体制を整えている。

また環境対策には専任担当者3人が廃棄物、省エネなどの環境対策に当たっている。社員の役割分担をはっきりさせることで技術者の育成を着実に進めてきた。同社は不景気時にも定期採用を続けおり、その人材も確実に育ちつつある。

「自分で加工した製品をその場で自分で検査・評価すること。そして環境対策でも見たり感じたりしたことをすぐに改善することが成長につながる」(桑名社長)と胸を張る。積み上げてきた人材でさらに技術開発に磨きを掛ける方針だ。


掲載日:2008年1月10日

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栃木県環境表面処理製造業


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