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ものづくりの原点


第65回

ボーイングも認めた鋳造技術[日本プレシジョンキャスチング]

瀬戸山惠社長

瀬戸山惠社長

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「鋳物というと壊れやすいイメージを払拭したかった」(瀬戸山惠社長)。航空機部品などの精密鋳造品製造を手がける日本プレシジョンキャスチングが、いま取り組んでいるのは、鋳物のもろさの解消だ。

同社の中核技術はロストワックスという鋳造方法。ロウで模型を造り、周囲を鋳砂で固め中のロウが溶けた後で金属を流し込み、鋳物をつくる。複雑な形状加工が可能な上に、工程数を減らし、コストダウンができるメリットがある。その一方で、強度が落ちるのが弱点とされる。瀬戸山社長が力を注いできたのはまさに強度の向上。 「機械加工に比べれば劣るかもしれないが、今までのものより強靭で、信頼度が高い精密鋳造を造ることができる」(同)と、自信をのぞかせる。

実際、同社の鋳造品は米ボーイングの787型旅客機のコクピットブレーキペダルにも採用されており、瀬戸山社長のいう信頼度の高さを裏付ける。

2倍の強度を目指す

溶かした金属を高温の鋳型に流し込む。鋳造の善し悪しが品質を決める

溶かした金属を高温の鋳型に流し込む。鋳造の善し悪しが品質を決める

実は同社は世界で数社しかできない技術を保有する。鋳造時に流し込んだ金属が固まる時間をコントロールする技術である。金属が固まる時間は、部位によって差があるのが通常だ。そのため鋳物に気泡が生じてしまうほか、強度にむらができてしまう。

同社は、この課題を解決するため、データを長年にかけて集積。単に鋳型に入れるのでなく場所により温度差をつけたり、薬剤を入れるなど独自の6つの工程を確立。乾燥時の時間のコントロールを可能にした。目標は引っ張り強度が従来品の2倍、弾力性で3倍以上の水準だ。鋳物は押す力には強いが引っ張りには極端に弱いのが最大の課題。すでに同社は1.5倍程度の引っ張り強度を実現しており、弾力性もモノによっては目標値を達成している。

鋳物製造では異例の挑戦だけに、「誰もがやっていない理想値を追いかけているところに難しさがある」(同)というが、「この技術が完成すれば、従来の機械加工がいらなくなる可能性すらある」という。

人材育成も

すでに経済産業省の「ものづくり基盤技術高度化法」の認定を受けているが、社内技術を高度化するだけでなく、人材育成の狙いもあった。同社の鋳造品は大量生産でなく、多くても月数百個しかつくらない。技術者個人の技能が製造品質に直結している側面がある。瀬戸山社長は「技能伝承は急務だが、OJTでないと意味がない」として、実際の新技術開発の工程に若手を積極的投入して技術継承につなげる考えだ。 目指す技術が確立されれば、自動車部品や医療機器部品製造も検討する。「これまでなかった素材ができるわけだから可能性は十分ある。モノづくりにおける鋳造のイメージを変えていきたい」。瀬戸山社長の夢が実現する日はそう遠くないかもしれない。


掲載日:2007年12月27日

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