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ものづくりの原点


第64回

複雑形状を一体成形[松田金型工業]

松田正雄社長

松田正雄社長

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「難しい引き合いでも逃げない。挑戦することで技術は発展する」が持論。この姿勢が顧客から「松田なら何とかしてくれる」と頼られる理由だ。

加圧力50−600トンのプラスチック射出成形機用金型の設計・製作を手掛ける松田金型工業(東京都荒川区、松田正雄社長、03-3800-3531)は、相談された案件の9割以上を製品化してきた技術力が自慢だ。

金型形状に工夫

シロッコファン(ブロア用ファン)の一体成型金型

シロッコファン(ブロア用ファン)の一体成型金型

04年春、ブロア用シロッコファンの一体成形技術の開発に着手した。きっかけは国内のブロアメーカーから寄せられた相談だ。

米国の一般家庭には庭掃除などのためブロアが広く普及している。ただ広い敷地で手早く仕事をしようと最高回転での運転を続けるため、ファンの接着部分がはがれる事故が相次いでいるというのだ。「期待される重圧で、最初は胃が痛かった」(松田社長)という。

外周部分に多くの羽根を持つシロッコファンは、一般的には羽根部分とそれを覆うふたの部分を別々に成型して超音波で接着している。二つの部品の組み合わせでは、いくら改善してもはく離現象を根絶することはできず、一体成形が絶対条件だ。

開発の最大のネックは形状だった。ブロア用シロッコファンは全体が円すい形状で、しかもフィンの間が扇形という「ベテラン技術者が躊躇(ちゅうちょ)する難しさ」(同)だった。

それでも味のあることをやろうと、精度を保ちつつフィン部分の金型を放射状にスライドさせることなどでこれを克服した。

これにより接着工程はなくなり、精度や動作を確認する検査工程も不要になった。同時に樹脂を流し込むシリンダーを金型の下部に収め小型化も実現。「成形機に収まりやすい金型を提供することも金型メーカーの責任」(同)と技術者魂を見せた。

04年冬に完成し、翌春には量産をスタート、07年11月には「遠心ファンの羽根車、その成形型およびその成形方法」として特許を取得。これを機に引き合いも増えた。

他製品への応用展開

接着による合体式成型品(左)と、一体成型品の模式図(右)

接着による合体式成型品(左)と、一体成型品の模式図(右)

同社はまた経済産業省の「07年度ものづくり基盤技術高度化法」の認定を受け、特許技術のクリーンルーム向けファンへの応用に取り組んでいる。さらに「油圧ポンプ向けファンにも展開できる」(同)と意欲的だ。

今後は設計、見積もりとワークから正確に逆算する能力が不可欠という。機械の一部だから価値が伝わりにくいことに歯がゆさも感じつつも、トータルの評価を左右する隠れた力となっている自社製品が大きな誇りだ。


掲載日:2007年12月20日

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