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ものづくりの原点


第63回

自動車産業をプレス機で支える[森鉄工]

森孝一社長

森孝一社長

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森鉄工(佐賀県鹿島市、森孝一社長、0954-63-3141)は、ファインブランキング(FB=冷間鍛造を取り入れた精密打ち抜き加工)プレス機や鍛造プレス機が主力の機械メーカーだ。

自動車関連企業などで導入が進むFBプレスは、平滑な剪断面や3次元形状の複合成形ができるのが特徴。81年に自社開発し、国内シェアでは約70%を占める。

95年には環境関連機器の生産も始めた。「金属切粉自動圧縮機」や「研磨スラッジ脱液固化機」「ホーニング油泥処理機」で、これらは産業廃棄物として処分していた研磨スラッジなどの再資源化に寄与する。企業の環境問題への意識の高まりをとらえ、加工分野だけでなく、環境分野でも存在感を示している。

次世代型プレス機の開発に挑む

これまで別の場所にあった機械、油圧、電気の各設計部門を集約し、業務の効率化と体制強化を図った新社屋

これまで別の場所にあった機械、油圧、電気の各設計部門を集約し、業務の効率化と体制強化を図った新社屋

「社内で研究開発していこう」(森社長)という意欲の強い同社は、経済産業省が公募した07年度の「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択された。研究テーマは「多軸精密制御による次世代型プレス機及び金型の研究開発」。

佐賀大学や佐賀県工業技術センターなど産学官連携で研究を進め、「顧客にアドバイザーとして参加してもらい、先んじて顧客の要望にこたえる」(同)方針だ。

自動車産業では軽量化と安全性を両立させるために高張力鋼板の利用が増えてきている。FBプレス機で、従来使われている低炭素鋼のプレス打ち抜き加工をすると剪断面は平滑。だが高張力鋼板をプレス打ち抜き加工すると剪断面は粗く、2次加工が必要となる。

そのため社内のトライアルプレス(試作機)を使って打ち抜き圧力や金型表面コーティングなど、機械や金型の工法を開発して問題解決に取り組む。「完成すれば応用分野は無限大」(同)と表現するように、同事業にかかる期待は大きい。

設計部門の体制強化と主要部品の内製化

優れた成形力と高剛性・高精度のフレーム構造を採用した粉末成形プレス

優れた成形力と高剛性・高精度のフレーム構造を採用した粉末成形プレス

同社は07年10月、本社社屋を建設し、これまで別々の場所にあった機械、油圧、電気の各設計部門を集約した。新社屋は2階建てで、延べ床面積は約930㎡。1階が事務所、2階が設計部門のフロアになっている。

資料や図面なども集約しており、15人の設計部門を「08年中には20人体制にする」(同)と増員も考え業務の効率化と体制強化を図るという。

また3年以内にシリンダーや油圧部品など主要部品の100%内製化を目指し、横型マシニングセンターと複合加工機を導入した。同社はプレス機に使用する主要部品の約20%を外注しているが、内製化することで納期短縮やコスト削減、高品質化も図る。

こうした機械設備の導入で品質の強化と加工効率を向上させる考えだ。新社屋の建設や機械設備などの投資額は約2億8,000万円。社内で研究開発がしやすい環境を整え、きめ細かに顧客の要望にこたえる体制を確立した。

技術力で自動車関連企業の動向に対応

自動車メーカーのグローバル戦略などで、自動車関連企業の生産体制は変化してきており、工場は世界各国や国内で分散化している。そのため「大型よりも中型・小型の小回りがきく機械で対応する」(同)方針だ。

「機械式を油圧式にすることで小型化が可能。モーターのサーボだけでなく、油圧のサーボでも相当のことができる」(同)と技術力に自信を見せる。次世代型プレス機の研究開発に取り組むのも、裏打ちされた技術があればこそ。設計部門の体制強化と研究開発の環境整備で相乗効果を発揮させ、さらなる技術の発展を推し進める方針だ。


掲載日:2007年12月13日

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