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ものづくりの原点


第62回

結晶と光技術の先端研究に挑む[信光社]

吉田邦夫社長

米澤勝之社長

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「結晶をベースにした社会貢献」を掲げる信光社は、結晶と光技術の融合で製品競争力を高めてきた。

創業当初から続く時計用サファイア窓をはじめ、超電導薄膜を積層した酸化物単結晶ステップ基板や、青色発光ダイオード(LED)用のサファイア基板、ルチル単結晶を活用した広域防災監視用光センサーなど、先端技術の製品化に次々と成功。各方面から技術力で高い評価を受けている。

燃料電池車向け新素材の開発で認定

加工変質層が少ないエピタキシャル成長に適した表面処理が施されたサファイア基板。写真は多くのLEDメーカーで支持されている青色LED用のサファイア基板

加工変質層が少ないエピタキシャル成長に適した表面処理が施されたサファイア基板。写真は多くのLEDメーカーで支持されている青色LED用のサファイア基板

同社の高度な研究開発の原動力になっているのが、一途に先端研究に挑むものづくりの方針。「損益計算書の観点から研究開発に目をつむることはできない」と米澤勝之社長。大企業なら投資の費用対効果から中止するような高度な研究課題も、大学や研究機関と連携して一途に継続する。

「新製品は自社で造るのではなく、何かの拍子で天から授けられるもの」(米澤社長)とするように、同社のほとんどの製品は研究から試作品の開発までに7年程度の歳月を要している。その成果もあり、これまで神奈川県の工業技術開発大賞を2度、奨励賞を1度受賞した。

数ある先端研究案件のなかで、06年の経済産業省「ものづくり基盤技術高度化法」に認定されたのは、燃料電池車の補助電源などで活用が見込まれる固体電解質酸化物単結晶の開発だ。

これまで主流だった固体高分子型電解質に比べ、エネルギー変換効率が高く、燃料改質が不要なセラミックスは、動作温度の高さとコストが実用化の壁になっている。同社は800℃以上でないと動作しなかったセラミックスを単結晶にすることで、500℃まで下げることに成功した。

「結晶を製造するために、2週間で100回以上の合成を繰り返した」(川南修一結晶開発部部長)という。将来求められる先端技術の開発にいち早く取り組む姿勢が、同社には定着している。

産学官の連携を活用して先端研究を継続

レーザーの出力変動や周波数変動、変調帯域抑制、LD破壊などのさまざまな不安定動作を抑制する光アイソレーター(中央)やルチル単結晶などの光学部品群

レーザーの出力変動や周波数変動、変調帯域抑制、LD破壊などのさまざまな不安定動作を抑制する光アイソレーター(中央)やルチル単結晶などの光学部品群

「中小は一匹おおかみでは生きていけない。拡大戦略より連携が大切」と米澤社長が語るように、同社は産学官の連携を重視する。技術開発でも公的機関を有効活用した資金調達を実施。経済産業省の「ものづくり基盤技術高度化法」に申請したのもその理由からだ。

「同制度で認可されれば政府系金融機関の融資が円滑に受けられる」と米澤社長は申請のメリットを説明する。光ファイバー用アイソレータ事業がけん引し、ITバブルのころには現在の2倍近い売り上げを計上した経験もある。

LED需要の増加や広域防災監視センサーの普及で、今後の業績拡大が見込まれるものの、「自分がどこを走っているかは常に自覚しなければならない」(同)と戒める。今後も公的助成金を有効活用し、先端研究に挑み続ける方針だ。


掲載日:2007年12月 6日

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