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ものづくりの原点


第61回

MEMS装置で世界へ挑む[AJI]

吉田邦夫社長

吉田邦夫社長

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資金力に乏しい中小企業が、世界へ挑むにはどうすればいいか。AJIが導き出したその答えは「マイクロ・ナノの固有技術」と、「グローバルなネットワーク」だ。製造業の海外シフトで人件費の抑制が進む中、企業にとって残されたコスト削減の余地は、部品の組み立てコスト。携帯電話に代表される製品の小型・高密度化に伴い、高速かつ高精度で大量生産ができる実装装置への需要は増す一方だ。

固有技術を世界にアピール

AJIが世界的な認知度を得るきっかけになった「マイクロワークセル」。A4サイズの小型装置を操作し、机上で1µm単位の精度を必要とする光学部品を組み立てることができる。

AJIが世界的な認知度を得るきっかけになった「マイクロワークセル」。A4サイズの小型装置を操作し、机上で1µm単位の精度を必要とする光学部品を組み立てることができる。

AJIの前身であるアデプトジャパンは、米国アデプトテクノロジーが製造する産業用ロボットの販売代理店として1998年にスタート。ところが90年代から製造業の海外シフトが進むのに合わせ、産業用ロボット技術も一定の成熟をみる。既存の装置では独自性を打ち出せないと考えた創業者の吉田邦夫社長は、その後の部品の小型・高密度化を見据え、高精度で位置決めができる微小電子機械システム(MEMS)の開発に着手。欧米のソフト技術と台湾の量産体制、日本の装置開発ノウハウを融合し、技術の高度化にかじを切った。

AJIにとって固有技術の最初の具体化が、2002年に製品化した「マイクロワークセル」だ。A4サイズの小型装置を操作し、机上で1µm(マイクロは100万分の1)単位の精度で光学部品を組み立てることができる。「得意分野でナンバーワンになればグローバル化の第一歩。中小企業はお金はないがアイデアは豊富」と吉田社長。扱いやすさと精度の高さから世界中で高い評価を受け、この開発をきっかけに、AJIは06年に米国アデプト社から独立を果たした。

助成金と産学官連携が後押し

ナノレベルの位置決めができるMEMS実装装置「MWC6000」。

ナノレベルの位置決めができるMEMS実装装置「MWC6000」。

マイクロワークセルの発売を皮切りにAJIは、さまざまなMEMS実装装置を市場へ投入してきた。07年10月には電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化膜半導体(CMOS)をナノレベル(ナノは10億分の1)の位置決め精度で大量生産できる「MWC6000」を開発。高速駆動中のXYZ軸の振動をアルゴリズムで制御し、CMOSレンズの成形からウエハ上への実装、ウエハ複数枚の切断までを自動化。それまで1個ずつ生産していた光学部品を400nmの位置決め精度で一度に5,000個まで組み立てられる。

同社は設立当初から、産学官の連携に力を入れてきた。国内では横浜国立大学や東洋大学、国外でもドイツや米国の大学と先端的な研究開発に挑戦。また行政の支援制度は事業のスタートアップに活用してきた。横浜市や神奈川県の各制度をはじめ、MEMS実装装置の開発で認定を受けた経済産業省の「ものづくり基盤技術高度化法」もその一つだ。中小企業にとって技術の優位性は生命線。同社にとって公的助成金は、そのための投資に欠かせないツールと言える。


掲載日:2007年11月29日

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