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ものづくりの原点


第60回

確かな技術で「機能」を作る[太盛工業]

田中茂雄社長

田中茂雄社長

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樹脂成形のノウハウを生かしたMIM

太盛工業(大阪府寝屋川市、田中茂雄社長、072-829-3588)は、プラスチック射出成形からスタートし、現在はプラスチック射出成形と粉末冶金を組み合わせた金属粉末射出成形(MIM)の代表的企業になっている。

90年代前半に樹脂材料では強度など性能に限界があるとし、新分野への進出を計画。インキュベーション施設を拠点に金属の材料や加工方法の研究を進めた。その中で金型製作や成形、組み立てなど樹脂加工で培ったノウハウが生かせるMIMに着目、独自の技術開発に成功した。

NIMによる製品(マイクロ遊星歯車)

NIMによる製品(マイクロ遊星歯車)

MIMは微細な金属粉末を樹脂材料と混練し、射出成形の後、脱脂・焼結させて金属製品を得る方法。3次元複雑形状の精密部品の量産に適している。なかでも同社は微小なMIMに特化し、製品の小型化・高機能化が進む自動車や家電などの分野で大きな役割を果たしている。

研究開発のテーマは一貫して「素材に機能を持たせる」こと。同社はMIMの製法を応用し、多孔質金属を開発した。内部に気孔を持つ金属で、ステンレスや銅などを混合して製造する。閉気孔、開気孔を自由に作り出すことができ、大きさや割合もコントロールできるのが特徴だ。

高強度で熱や電気の伝わりがよいことから、燃料電池のセパレータや人工歯根へ応用できる。ステンレスの導電性と銅の抗菌性を併せ持つ銅合金ステンレスなど、材料特性を生かした高機能製品を生み出している。

コストを低減

孔質金属製品(マイクロインペラー)

孔質金属製品(マイクロインペラー)

さらに同社は自動車の車載モーター、家電や医療用のセンサーなどに磁性材料が使われる頻度が増えていることに注目、MIMを用いた高磁性部品の開発を進めている。

経済産業省から07年度のものづくり基盤技術高度化支援法と、戦略的基盤技術高度化支援事業の両方で認定を受けた。ステンレスなどの金属の廃棄物が発生する切削加工方法に対して、コストを5分の1−10分の1に抑えることを目指した研究開発だ。

切削だと削った後に捨てる部分が出てくるが、MIMは粉末状の金属を用いるため無駄がなく、コストも削減できる。

既存の技術同士を組み合わせて、新しいものを生み出していくのが同社の姿勢。「他の会社が追っているものとは違う当社らしさを追求したい」(田中社長)と話す。

「コストではアジア各国やインド、ブラジルなどにかなわない。だからこそハイレベルの技術を常に追求しないと」(同)と研究開発に力を入れる。やる気を示す若い社員には、どんどん研究を推奨する。社員の個々の能力を生かしながら、よいものを作りたい。それが田中社長の願いだ。


掲載日:2007年11月22日

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