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ものづくりの原点


第57回

複合化を追求する技術者集団[FJコンポジット]

津島栄樹社長

津島栄樹社長

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産業界でいま注目される素材が複合材だ。FJコンポジット(静岡県富士市、津島栄樹社長、0545-60-9052)は、その複合材を開発する技術者集団。手掛ける複合材は幅広く、社員7人と小規模ながら複合化に関する技術力は大企業にひけをとらない。とくに燃料電池用セパレーター開発では高い評価を得て、知名度を上げている。

半導体用放熱板で初の量産事業

初の量産事業となる半導体用放熱板

初の量産事業となる半導体用放熱板

複合材は各素材の特性を生かすことができ、より軽くて強い材料ができる。最近では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)がそうした特性から飛行機の構造材として多く採用されている。

同社の津島栄樹社長は「CFRPはほかでもやっている。当社にしかできないようなものをやりたい」と技術屋ならではのこだわりを強調する。このため開発する複合材は炭素繊維−金属、セラミックス−金属など、複合化が難しいとされてきたものばかり。「ここまで柔軟に組み合わせられる企業はほかにない」(津島社長)という。

同社の複合化技術の代表は高温にして加圧する方法。原子が結びつく化学結合を生み出すには温度や圧力の条件を見いだす必要がある。これがノウハウだ。

この技術を生かして銅とモリブデンの板を積層した複合材で半導体用放熱板を開発した。熱伝導率が高く熱膨張率が低いのが特徴。高出力化により熱放出が課題となっている携帯電話の基地局用増幅器向けなどに需要を見込んで量産を始めた。02年の会社設立から試作開発してきた同社にとって、初の量産品であり、大幅な売り上げ増を期待する。

燃料電池用セパレーターを低コスト化

1枚100円以下を目指す燃料電池用セパレーター

1枚100円以下を目指す燃料電池用セパレーター

一方、経済産業省の「ものづくり基盤技術高度化法」の認定を受け開発に挑むのが燃料電池(FC)用セパレーターの低コスト生産技術。FCはクリーンな発電装置として自動車や家電などで普及が見込まれる。セパレーターは水素と酸素の供給と遮断が目的の重要部品だが、現在1枚数千円とも言われ、FCのコストの大半を占める。FCの普及はセパレーターの低コスト化がカギとなっており、同社は生産速度を100倍に上げることで1枚100円以下を目指している。

同社は黒鉛とフェノール樹脂の複合材でセパレーターを試作。これをFCの主要メーカーへ供給し、性能面でも高評価を得ている。しかし生産方法が高温でのプレス成形のため、1枚当たり10分かかりコストが抑えられなかった。そこで方向転換し、冷間でプレス成形をしてから、まとまった数を炉で加熱するようにした。これだと1枚6秒で成形でき、大幅なコスト削減が期待できる。

複合材研究には設備も必要で「当社のような小さい企業にはリスクが大きい」(同)。そこで認定で得た補助金を使って1,000トン高圧プレス機を導入。今後、試作を繰り返しながら技術確立に挑もうとしている。


掲載日:2007年11月 1日

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