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ものづくりの原点


第52回

ロストワックス鋳造法のナンバーワンを不動のものに[キングパーツ]

高橋孝一社長

高橋孝一社長

大型精密鋳造のプロフェッショナル

難しいとされるロストワックス製法の大型精密鋳造品を手掛ける

難しいとされるロストワックス製法の大型精密鋳造品を手掛ける

精密鋳造技術の一つであるロストワックス製法は紀元前のメソポタミアから始まったとされる。長い歴史を経て、今なお使われている技術だ。その製法は機械加工では難しい複雑な形状の硬い素材を製作できるのが特徴。品質が良く、寸法精度も高いことから、主に小型部品の製造に利用される。一方、溶けたアルミなど金属材料を流し込むので、巣(鋳物の内部に生じる空洞)ができやすく、大型部品の製造には適さない。均一の温度管理や鋳型作りには、職人技に近い高度な技術を必要とする。

キングパーツ(広島県福山市、高橋孝一社長、084-955-3102)は、大型のロストワックス精密鋳造品のわが国唯一のメーカーといっても過言ではない。同社は93年以降、ロストワックスでは最も高品質、高精度といわれる防衛装備品を防衛庁とそれにかかわるメーカーに納めている。アルミ製の通信機器の部品にいたっては縦、横、高さが、それぞれ50cmもある。

作り込みが生む技術力

ロストワックス製法は製造途中で、ワックスが膨張すれば鋳型が割れる。工程もワックスモデルを作る金型製造に始まり、ワックス成形、鋳型焼成、鋳込み、形状仕上げと多い。しかも製造工程上、最終製品になるまで不良品チェックはできない。このため同社では不良品が出れば、どの工程が悪かったのか、徹底して原因を突き止め改善する。

ロストワックス製法は複雑形状のものを作れるが、製造工程上、最終製品になるまで不良品チェックはできない

ロストワックス製法は複雑形状のものを作れるが、製造工程上、最終製品になるまで不良品チェックはできない

もちろん、それぞれの工程を担当する部署間で激しい議論となる。防衛装備品や航空機部品、プラント部品など人命にかかわる製品を扱う同社にとって不良品は許されないからだ。「設計と現場が徹底して作り込んでいく点が、『ロストワックスのキングパーツ』という評価につながっている」と高橋社長は胸を張る。

その評価通り、毎月、新しい注文が届く。バブル崩壊後の不況時にも仕事が途絶えたことはない。現在もワックスモデルの金型は1カ月に60型ずつ増えており、月間3,000種類の製品を製造している。一品モノを作って欲しいという要望も強く、保有する型は2万を超える。

ロストワックス製法の可能性をさらに追求

高橋社長は「これからはチタン合金など今までやったことのない材料で、高付加価値製品の開発に取り組む。トップメーカーとして、ロストワックス製法の可能性を広げていきたい」と意欲を示す。

作り込みが、かぎを握るロストワックス精密鋳造品は、技術の集約的な部分があり、大量生産をメーンとする中国の台頭も驚異ではない。日本の製造業の多くが目指す"技術力によるモノづくり"の真髄がここにある。


掲載日:2007年9月27日

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