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ものづくりの原点


第49回

エンジン部品から医療機器へ[タマチ工業]

太田邦博社長

太田邦博社長

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レース部品を極めた加工技術

タマチ工業(東京都品川区、太田邦博社長、03-3762-5591)は、日本の自動車の歴史とともに歩んできた。1919年に現社長の祖父・太田祐雄氏が自動車エンジンを開発。それ以降、3代にわたり、自動車づくりの情熱と技術が引き継がれ、新たな領域を切り開いてきた。

現在は国内外のレース用エンジン部品を提供する。この分野では大きなシェアを持ち、世界のモータースポーツを支えている。高いレベルの切削加工技術を持ち、メーカーに特殊加工のカムシャフトなどを納めている。

同社の強みは長い会社の歴史が示す技術の蓄積だ。1937年に祐雄氏は息子の祐茂氏らとともに、小型乗用車「オオタ号」の生産に着手した。祖父が興したこの会社は戦後に吸収合併されたが、祐茂氏は62年にタマチ工業を設立。トヨタや日産系モータースポーツ企業との長い取引により、設計者の意図がすぐに理解できるまでの関係をつくってきた。

もう一つ大きな力となっているのは、最新設備を入れるフットワークの軽さだ。コストのかかる機材でも、すぐに新しいものを入れ、技術を吸収してきた。特に最新のCAD/CAMを操り品質保証に力を入れる戦略は、進化の速い自動車メーカーの高い要求に応えることで、自社の技術力向上に役立ってきた。逆に弱い部分もある。多品種少量生産路線に慣れてしまっているため、中量生産で採算がとれないケースがあるという。

さらなるレベルアップを求めて他分野へ進出

海外製が圧倒的なシェアを占めるステント。高いレベルの加工技術が医療機器分野への進出を可能にした

海外製が圧倒的なシェアを占めるステント。高いレベルの加工技術が医療機器分野への進出を可能にした


今、同社は新たな試みを始めている。強みである機械加工技術のレベルをさらに高めるため、東京工業大学と連携し、医療分野への進出を決めた。ステントと呼ばれる人間の血管などを広げる網目の入った筒状の金属の開発だ。この医療分野進出のきっかけは学生時代、医者を目指していたことに遡る。人の命を助ける医療への強い思いが、社長を突き動かした。

レーザー加工でのステント製造現場

レーザー加工でのステント製造現場

ステントは狭心症などのカテーテル手術などで使われ、日本では97%が海外製。患者が負担すると1本15万-20万円もする。太田社長は「日本の高い技術力を医療分野に応用し、社会のために貢献したい」と話す。国内生産を増やし、割安で提供していきたいと考えている。

加工に関しては既存品と比べても変わらない。あとは加工後の薬品のコーティングを行う外注先の選定と納品先メーカーによる医療関連の法律的な問題をクリアする段階にまできている。「市場に出すには自分たちの持つ加工技術だけでは超えられない壁がある」と太田社長は語る。

モータースポーツのエンジン部品と医療機器。全く異なるものだが、高い加工技術の蓄積があるからこそ精密なステントの加工も行える。他分野への応用により、エンジン部品の開発にも新たな面を引き出してくれるかもしれない。


掲載日:2007年9月13日

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