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ものづくりの原点


第48回

サーモスタットで世界をリード [ウチヤ・サーモスタット]

打矢正雄社長

打矢正雄社長

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バイメタルの精密加工で安全性向上

ウチヤ・サーモスタット(埼玉県三郷市、打矢正雄社長、048-955-4181)は、電気製品や自動車用部品向けサーモスタットの世界的企業。熱膨張率の異なる2枚の金属板を張り合わせた「バイメタル」の精密加工に、独自のノウハウが凝縮されている。ヘアドライヤー用のサーモスタットを年間約5,000万個以上生産しており、小さな製品で大きな安心を提供する。

サーモスタットは家電製品の温度制御や過熱防止などに使われる。その中心的な役割を担うのがバイメタル。熱膨張率が異なるため、製品が過熱するとバイメタルが反り返って電気を通さなくする仕組みだ。同社のバイメタルはわずかに丸みを帯びており、この曲面に同社製品の生命線があるといえる。

サーモスタットは、それぞれのユーザーが要望する動作温度を細かく設定でき、高い耐久性を実現することがポイント。動作温度のバラつきを抑えるためには、サーモスタットの接点圧力を小さくする必要がある。逆に耐衝撃性を高めるためには接点圧力を大きくする必要があり、相反するふたつの要素を満たさなければならない。

「二重バネ機構」を採用したサーモスタット(左)とヘアドライヤーのサーモスタット(右)
ヘアドライヤーのサーモスタット上部にあるバイメタル(黒色)の精密加工にノウハウが凝縮されている

「二重バネ機構」を採用したサーモスタット(左)とヘアドライヤーのサーモスタット(右) ヘアドライヤーのサーモスタット上部にあるバイメタル(黒色)の精密加工にノウハウが凝縮されている

同社はバイメタルのバネと銅合金可動板バネによる二重構造で接点圧力は2-4倍に増加し、耐衝撃性を高めた。同時にバイメタルの精密な加工により正確な動作温度の設定を可能にした。これによりノートパソコン用のバッテリーパックや大工道具など、より幅広い市場への供給が行えるようになった。

サーモスタットは長年使っていくうちに金属疲労が問題となってくる。打矢社長は「わが社では動作回数をもとにヘアドライヤー用のサーモスタットで6,000回、自動車用製品で20万回という安全基準を設けた。今後、金属の寿命をどう伸ばしていくかが課題」と話す。

蓄積してきた技術やノウハウを活用

サーモスタットの専業メーカーとして発展してきた同社だが、競争が激しくなっている。打矢社長は「これからは新たな分野で新しいものを作っていく必要がある」と、新規事業の拡大を見据える。「プラズマスプレー気相メッキ法による高性能環境センサー生産プロセス開発」もその一つで、06年度の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択された。プラズマスプレーを利用したメッキ技術により、化学物質などを検知する金属酸化物ナノ粒子構造膜の形成に成功。以前から社内でプラズマ技術の研究に取り組んでおり、新分野の開拓についても従来から培ってきた知識やノウハウを十分に生かせるとみる。

揺るぎない技術力で世界をリードしてきたウチヤ・サーモスタット。常に新たな方向性を模索しながら、さらに製品開発や事業展開に力を入れていく。


掲載日:2007年9月 6日

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