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ものづくりの原点


第45回

人に喜ばれるモノづくり目指す [山野井精機]

山野井周一社長

山野井周一社長

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マグネシウム加工で次世代に挑戦

「お客さまが使って喜ぶものを作るのが一番大事。自己満足では意味がない」

山野井精機(茨城県つくばみらい市、山野井周一社長、0297-58-1211)の山野井社長は、こう断言する。同社が製作する文具金具でも、人間工学に基づいた技術と感性を生かし、使いやすさを最重要視しているという。こうした喜ばれるものを追求する姿勢は、次世代をにらんだ製品作り・技術開発へとつながっている。

同社は2005年から茨城県の「茨城マグネシウムプロジェクト」に参加し、マグネシウム加工の研究を進めてきた。これはマグネシウム加工を扱う県内中小製造業者が連携体を構築し、新技術や新製品の開発を産学官で取り組むというもの。マグネシウムは加工が難しく、技術が確立していないという問題点を抱える一方で、実用金属の中で最軽量という特徴に加え、リサイクル性に優れているという利点を持つ。環境に優しいとして注目を集めている金属だ。

モデルとして製作したマグネシウム製の超軽量電子辞書

モデルとして製作したマグネシウム製の超軽量電子辞書

同社はこれまで県の補助金を受けながら、マグネシウムの加工に関するデータを収集してきた。「超軽量電子辞書ケース用プレス金型の開発」をモデル目標として、温間加工条件、金型の加熱方法、プレス加工時間、高温潤滑方法という4つの加工条件について実験した。

金型の4つの角の角度が小さいほど成形が困難になる。しかし、実験の結果、角度が大きければ低温・無潤滑で生産が可能であることや、角筒絞りを成功させるためには絞る前に切り板の形状を設定することが重要であることなどが分かった。

研究を進めて一貫生産体制に

同社の金型製作を支えてきたマシニングセンター。8月には最新型を導入する

同社の金型製作を支えてきたマシニングセンター。8月には最新型を導入する

このデータをもとに、06年には茨城県工業技術センターなどと連携し、軽金属の板鍛造や超塑性といった周辺技術などを調査した。これらの成果をまとめて「板鍛造や超塑性技術の研究開発」という計画を作成。これが評価され「難加工材の3次元精密順送プレス技術の開発」との計画名で、ものづくり基板技術高度化法に認定された。将来的には今後培う技術を同社の一貫生産体制に組み込み、マグネシウム製品を生産したいという。

「これはまだ第一歩にすぎない」と山野井社長は気を引き締める。人に喜ばれる製品作りを目指し、あくまで「よりよい加工方法と精度を追求していく」構えだ。

一方で、「茨城マグネシウムプロジェクトに携わっていたことから情報を得ることができたものの、中小企業はこうした制度を知らない場合が多い」(根岸繁夫相談役)と、制度をより周知させていく必要性を指摘する。

周囲の動きにも冷静に目を向けながら、一歩先の「喜ばれるもの」を目指した山野井精機の挑戦は続く。


掲載日:2007年8月16日

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