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ものづくりの原点


第40回

難燃性Mg合金のプレス加工に挑戦 [矢島工業]

横山 溥社長

横山 溥社長

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車体の軽量化に寄与

矢島工業(群馬県太田市、横山溥社長、0276-31-1311)は、富士重工業を主要取引先とする自動車部品メーカー。「難燃性マグネシウム合金の金属プレス加工技術の研究開発」をテーマに2006年、ものづくり基盤技術高度化法の認定を受けた。難燃性マグネシウム(Mg)合金はMgにカルシウムなどを混ぜ込んだ合金で、産総研九州センター(佐賀県鳥栖市)が開発した。燃えやすく、危険な素材と言われるMgを燃えにくくしたのが特徴だが、伸縮性、剛性が弱いことが欠点となっている。

矢島工業によると難燃性Mg合金は大阪のメーカーが押出し成形でパイプに加工し、新幹線車両の網棚、料金自動収受システム(ETC)ゲートなどに使われているが、自動車の量産部品への使用例はまだない。群馬大学工学部、群馬産業技術センター、富士重工などの協力を受け、2年後の実用化を目指す。同合金はアルミより軽く、実用化できれば、鉄、アルミの代替素材として、車体の軽量化に寄与することになる。

プレス量産化技術の確立に取り組むのはブレース(天井補強材)、シートフレーム、インパネフレームなど車体骨格部品。ダイカストメーカーと組み、エンジン機能部品にも挑戦する。試作から試験段階にこぎ着けた部品もあり、横山社長は「ものによっては、2年より早まる可能性もある」と見ている。

同社が申請したのは「認定を受けることにより、研究開発のスピードを上げ、同業他社より早く量産に乗り出し、受注拡大につなげる」(横山社長)のが狙いだ。目下の課題は研究開発に使うサーボプレス機の導入。中小企業にとって、研究開発用の高価な設備の導入はリスクが高いため、簡単ではないが、補助金案件に採択されれば、その課題は即座に解決する。さらに「認定に伴い、金融機関からの評価が高まった」(同)と、資金を調達しやすくなるメリットも生まれている。

技術も売る提案型企業目指す

難燃性Mg合金を使い、プレス量産化を目指すブレース

難燃性Mg合金を使い、プレス量産化を目指すブレース

同社のモノづくりに対する基本的考え方は「部品だけでなく、技術も売る会社、提案できる会社になる」(同)こと。創業以来56年、この方針を実践し、取引先から言われたものを言われた通りにつくるのではなく、独自の工夫を積み重ねてきた。その一例がプレス加工品を組み立てるラインの改善。

1つのラインに多品種を流せる独自設備を構築することにより、取引先の生産車種のバラツキに迅速対応できるようになった。生産部品の形状、大きさなどが変わるモデルチェンジの際の投資抑制にもつながっているという。

またプレスの工程削減にも挑戦中で、一部品に必要な型が3.5から2.8に減少した。さらに2型を目指して取り組みを継続している。新しい材料である難燃性Mg合金に着目し、素早く行動を起こしたことにも、単なる下請けに甘んじず、取引先に必要とされる提案型の企業になるという同社の強い意志が反映されている。

自社ブランド部品も展開

矢島工業の強みは技術も売る、提案型企業になるという方針を掲げ、56年にわたり、磨き上げ、蓄積してきた金属加工技術。その強みが中小部品メーカーでは珍しい自社ブランド「SYMS」として結実した。93年に始めた各種カー・レースへの参戦で培った経験と開発力を既存の基盤技術と融合させ、サスペンション、マフラー、エアロパーツなどのチューニング部品を自社ブランドで製品化。SYMS製品群はエンジンオイルにまで広がり、国内だけでなく、海外でも販売している。


掲載日:2007年7月12日

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