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ものづくりの原点


第38回

板金から機械加工までの一貫体制構築 [シンコー]

中川由毅社長

中川由毅社長

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“複合加工”で付加価値を高める

シンコー(富山県富山市馬瀬口90、中川由毅社長、076-483-3324)は、精密機械部品の薄物板金、機械加工を行う。半導体・液晶製造装置、自動車製造ラインに用いる部品加工を主体とし、顧客の旺盛な設備投資を背景に受注を増やしている。現在は切削など機械加工分野を強化中で、業界でもトップクラスの最新設備を導入。板金と機械加工の“複合加工”で付加価値を高めている。

創業は1979年。特殊・複雑形状を高精度に加工する板金、精密溶接の技術力を強みとしてきた。本社工場近隣に、91年に第2工場、2000年には南工場を立ち上げ、生産体制の充実を図った。また同年に品質管理・保証の国際規格「ISO9002」、03年に「同9001」を認証取得したのに続いて、07年8月には環境管理・監査の国際規格「ISO14001」を取得する見通しだ。

モノづくりに対する考え方は「どのようなカタチで製作するのがベストか」(中川社長)を常に念頭に置くこと。短納期、高品質、低価格といった顧客ニーズに対応するため、最善を尽くすことを使命にしている。こうした考え方は「挑戦と努力」(同)という企業理念に表れている。

同社が得意とする薄物加工は、板金加工後に切削、穴開けなどの機械加工を施すことが多い。しかし「板金、機械加工の両方を手がける加工業者は意外に少ない」(同)。同社はここに着目した。

約10年前に無人化システムを導入し、自信のあった板金加工で高品質、短納期化を徹底。さらに5年ほど前に、5面加工用の門型マシニングセンター(MC)を導入、機械加工分野へ本格的に参入した。高精度加工に磨きをかけるとともに、設備も増強。07年春には5面加工用MC5台体制とし、板金から製缶、溶接組み立て、機械加工までの一貫加工の能力をアップし、受注拡大に弾みをつける。

技術を武器に提案力で勝負する

一貫加工の能力アップのために導入した5面加工機

一貫加工の能力アップのために導入した5面加工機

現在、受注の8割が半導体・液晶製造装置の筐体などIT関連で、残り2割が自動車生産ラインに用いる部品加工という構成。このところの材料価格の高騰に伴い、同社に持ち込まれる部品加工は鉄のほか、ステンレス、アルミニウムと素材が多様化している。材料の種類によって加工方法もさまざまだ。「加工技術の変化に対応できなければ、コスト追求もおぼつかない」(同)と工夫、改善に余念がない。

板金から機械加工までの一貫加工体制を推し進めた結果、「技術、技能の総合力が高まった」(同)という。その総合力を生かし、同社は取引先に対する技術提案に力を入れている。「特に、IT業界は外注先に提案を求めてくる。言い換えれば、提案力のない外注先は取引ができないということだ」(同)と気を引き締める。「提案することで大きな宿題をもらうこともあるが、新たな挑戦のテーマと受け止めている」(同)。

現在はIT、自動車関連の受注でフル稼働しているが、さらなる取引先の拡大も視野に入れている。半導体・液晶製造装置向け部品加工で蓄積したノウハウを生かして、各種電機装置関連の受注取り込みを目指している。また、加工精度など技術的なハードルが高いといわれる航空機関連にも意欲を見せており、技術力のいっそうの高度化が、次の展望を切り開く原動力になる。

技術力を支える人材を育成

取引先にとって板金から機械加工までをワンストップで託せるところがシンコーの魅力。そうした自社の強みは、中川由毅社長も自覚しており、固有の技術やノウハウを駆使することで勝ち残りを目指している。それを支えているのが人材であり、毎年10人前後を採用、人材の確保と育成に力を注いでいる。大手企業と違い、同社の工場では若手社員でもレーザー切断機、マシニングセンターなど、さまざまな機械に直接触れることができる。テーマを与え、挑戦を促すのが同社の若手育成法だ。


掲載日:2007年6月28日

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