本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > ものづくりの原点

ものづくりの原点


第36回

総合加工メーカーへの脱皮目指す [小出ロール鐵工所]

小出明治社長

小出明治社長

ウェブサイトへ

製鉄、製紙、電力関連向けのロール、シャフト製作加工を営む小出ロール鐵工所(東京都墨田区、小出明治社長、03-3625-4151)。創業90年の老舗加工メーカーだが、いま国内大手製鉄所のロール研磨需要の拡大と、海外向け発電設備まわりの受注拡大を機に、新たな事業分野の開拓に乗り出す。「社名が表すように、どうしても丸モノのスペシャリストと見られがち。だが当社にはマシニングセンタ、NC旋盤、NC研磨機をはじめ、何でもできる設備能力と加工ノウハウがある。これらを生かして総合加工分野に進出する」(小出明治社長)。

丸モノから角モノへ、5面加工機増設

現在の主力は、国内製鉄所向けのロール再研磨加工。圧延工程を中心に用いられるロール研磨の需要は、過去最高水準の粗鋼生産を背景にここ数年で急増している。そうした事業環境の好転を受け、将来の新たな事業基盤を育成することにした。すでに一昨年に、本社隣接地に新工場を建設、5面加工機1台を増設し2台態勢にしている。直接的にはロール周りの機械加工領域を増強し、既存取引先の受注増に対応するのが狙いだが、豊富な設備能力と高い品質・技術力をもとに事業構造改革を進め、5年以内に新分野のめどを付ける。

具体的にはエンジニアリング領域や角モノを含めた一般加工分野への進出だ。実はバブル崩壊後の受注減少に見舞われた際、同社は電力関連の営業展開を積極化し、重電メーカー向けのタービン・シャフトなどの受注に成功。製鉄、製紙に次ぐ第3の顧客層を手にした経緯がある。従来とは異なる加工技術を吸収した社内インパクトは多大で、当時の事業範囲の拡大がその後の同社飛躍の原動力になった。

多様なスキルで目標実現へ

5面加工機

5面加工機

今回は2012年の創業100周年を見据えた第2の新分野開拓。「ロールだけでは持続的な成長は難しい。機械設備の関係から中型、大型のミクロン加工領域が守備範囲となるが、何でもこなせる精密加工メーカーを目指す」(同)。目標達成に向けた力は個々の社員が有する高い技術力。社員100人で平均年齢が約33歳と若く、社員の自主性に基づいた技能検定の取得を進めている。

「社員に対する投資は惜しまない」姿勢で、設計の人間が工作機械の検定を受けることも可能。興味のある分野があれば、新たなスキルをどんどん習得できる社内環境を整えており、社内モチベーションの喚起にも役立っている。この結果、社員のスキルに多様性が生まれ、これが総合加工メーカーの実現に向けた大きな起爆剤になると見られる。

さらに、解体や取り付けなどのエンジニアリング領域も手がける。「中小規模の取引先では、取り付け解体を自社で手がけているが、作業者の高齢化などで徐々に対応できなくなっている」と見ており、今後こうしたエンジ領域のニーズをカバーする。もともと同社は、創業から戦後まで機械を製造して、取り付けて試運転までしていた歴史もあり、単なる加工業務だけでなく、輸送から解体・据え付けまで含めた顧客ニーズ全般を吸収していく考えだ。「小出に頼めば何とかしてくれるという存在感のある企業を目指す」方針だ。

若さが最大のパワー

活況を呈する鉄鋼需要にも関わらず、事業構造改革に取り組むのは、同じ事の繰り返しでは将来成長はおぼつかないという小出明治社長の危機感の表れだ。かつてロール研磨に依存し、会社存続のピンチに直面、資金繰りに奔走した自身の経験に裏打ちされている。社員のスキル向上を武器にして、常に新しい領域に挑戦する姿勢は、モノづくり企業すべてに通じる最も基本的な成長シナリオでもある。


掲載日:2007年6月14日

前の記事次の記事

加工東京都製造業


このページの先頭へ