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ものづくりの原点


第34回

体の不自由な人に元気を贈りたい [中村ブレイス]

中村俊郎社長

中村俊郎社長

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義肢装具の先進地へ渡米し、技術吸収

中村ブレイス(島根県大田市、中村俊郎社長、0854-89-0231)は、義肢装具や医療器具が主力。義肢装具といっても範囲は広い。障害用コルセットから人工乳房、手・指などのシリコーンゴム製品、保護帽まで製造アイテムは枚挙にいとまがない。手や耳、人工乳房は芸術品の域。けがや病気で身体の一部を欠損してしまった人からの相談が絶えない。

中村社長は高校を卒業後、京都の老舗の義肢製作所で6年間義肢製作の基礎を学んだ。それから"もっと新しいものを"との思いで義肢装具の先進地・米カリフォルニア州に単身渡った。2年半で最先端技術を吸収した。「この経験が今でも息づいている」(中村社長)と話す。

1974年12月、故郷の島根県大田市大森町に戻り、自宅前の10坪の納屋を改装し、たった一人で中村ブレイスを起業。このとき、26歳10カ月。人々の役に立つものづくりにこだわりながら、義肢装具の発展を願い、過疎の進む町の再生の一助になればと努力を続けた。最初のひと月は仕事がゼロ。初めて作ったのは伯父の腰痛用コルセットだった。徐々に製品の良さが口コミで広がり、ユーザーや取引先が増えていったという。

主力製品は世界9カ国で特許取得

データや写真を見ながら1つひとつ手作りの乳房

データや写真を見ながら1つひとつ手作りの乳房

82年10月、法人化した。今では日本全国の医療機関、義肢装具製作会社と取引があり、約200種の製品を提供している。「自分たちが努力して、使う人の身にたって喜ばれるものを作り、提供していくこと」(同)が創業から不変のポリシーだ。

92年1月から始めた乳がん術後補正用人工乳房『Vivify(ビビファイ)』も3,000人分を突破した。「世界にたった一つのおっぱいを作るため、本社や東京事務所にユーザーが見える。既製品の『レディメイド』とオーダーメードのビビファイがあるが、「ほとんどの人が値段が高くてもオーダーメードを注文する」(同)という。

人体の一部を一つひとつ手作りでリアルに再現する技術は、芸術品の域(リアルアート)。世界に誇るオンリーワン技術だ。95年7月に開設したメディカルアート研究所で丹念に培ってきた固有の人的技術でもある。先端技術や機械でできるものではなく、美しさと機能性の理想的な融合を目指して日夜研究を続けている。

火災で両足を失ったモンゴル少年へ義足を贈ったり、地雷で片足を失ったアフガン少女の義足作りなどボランティアも多い。モンゴル少年から届いた見事な"日本語のお礼状"に、中村社長は涙したという。

「基本は人を大切にすること」。異分野への参入は「まったくない」ときっぱり。さらに技術に磨きをかけ、これからも世界中の人たちに喜ばれる商品開発にと拍車がかかる。

抜群の知名度、他社が追随できない表現力

中村ブレイスは経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれたほか、数々の栄誉ある賞を受賞している。スキルナーと呼ばれる指や耳などのシリコーンゴム製品は、血管や体毛などもリアルに表現(製作)されており本物と見分けがつかないほど。製作は欠損部周辺の身体計測からはじまり、型おこし、着色、植毛など地味で根気のいる作業の連続。人工乳房や人工肛門は反響も大きく、これから伸びる商品。社長を筆頭に社員の約20%が義肢装具士資格をもつのも心強い。


掲載日:2007年5月31日

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