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ものづくりの原点


第32回

ハイテク産業を陰で支えるアルマイト処理技術 [中国電化工業]

東 佳範社長

東 佳範社長

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耐食性・耐ガス性に優れたアルマイト処理工法を考案

中国電化工業(山口県防府市、東佳範社長)は1946年(昭和21年)の創業。アルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト)や硬質クロムめっき、貴金属めっきなどを手掛けており、中国地区でも有数の表面処理加工事業者に成長した。仕事の4割を鉄道車両部品が占めており、それに続いて半導体製造装置部品やめっきを使ったメンテナンスの仕事などが多い。

「ちょっと乱暴な言い方かもしれないが、すべてのモノにはめっきが絡んでいる」と東社長は話す。ただ、めっき業界は昔ながらの家族経営で"ローテク"仕事をこなす事業者もいれば、最新の設備を導入して"ハイテク"を追求する事業者もあり、2極化する傾向にある。

そんな中で同社は「半導体などのハイテク分野の仕事に絡んでおり、やりがいも大きい。誰でもできる仕事というわけではない」という自負をもつ。そのことが同社のものづくりを支えるよりどころとなっている。

また、同社は付加価値の高い仕事を生み出すため、研究開発にも力を入れている。最近では耐食性、耐ガス性に優れたアルマイト処理工法(通称=ヤギマイト)を開発している。

アルマイトを使った一般的な表面処理方法は耐食性や硬度などが向上する一方で、表面に細かな穴が形成されるために封孔処理が必要になる。この場合、アルミニウム素材で表面処理するが、内部は空間が残ったままになる。そのため封孔部分が腐食すると、素材自体も腐食してしまうことがあった。

これに対して同社の工法では、アルマイト被膜の最表面に従来とは異なる電解条件で厚さ1μm程度の層を形成する。表面にはすき間がないので腐食しにくく、穴とその内部を完全に封鎖するため、素材の真空度が大きく向上する。

公的試験機関でデータ収集を行った結果、耐アルカリ性を測る試験では「当社の従来商品に比べて約5倍の耐食性が得られた」(同)ほか、封孔度、耐プラズマ性などで優れた結果を残したという。

高付加価値のアルマイトに特化

アルマイト加工を施した製品

アルマイト加工を施した製品

現在、液晶関連装置やフロンガスを使うシリコンウエハのエッチング装置など、高い真空度や耐食性が要求される場面で利用が進んでいる。

「シリコンウエハのエッチング装置などフロンガスを使う装置では高い真空度が保てないと腐食するケースもあった。だが、エッジ部分やリングを取り付ける部分などにこの処理を施すことで課題を解決した」と、この工法の考案者で、「ヤギマイト」の名前のルーツでもある八木英紀取締役技術部長は話す。

現在は導入が進みつつある半導体、液晶装置向けに続く、他業界への用途拡大に向けて営業活動を続けている。海中撮影用など特殊用途のカメラや、電動リールなどの釣具メーカー、食品業界などに採用を働きかけているところだ。

将来は「より付加価値の高いアルマイトに特化していきたい」と(同)話す。加工コストに対する発注側からの要請は厳しいが「その中でいかに差別化ができるか。そのためには技術力。ニーズをしっかりとつかみ、そこに向けて進んでいきたい」(同)と、自分たちが生きる道をしっかりと見据えている。

自社内でバフ研磨も

同社はめっき技術に加えてバフ研磨も行っている。「まさにローテク代表格で、3K仕事。やめようとした時期もあった」(同)が、顧客の支持もあって続けてきた。今ではめっきとバフ研磨とを社内でこなす企業は珍しくなっており、他社との差別化につながっているいという。

課題は後継者の育成。「バフ研磨には目の良さ、勘の良さが必要」なため、作業者の高齢化が進めば事業の継続も危ぶまれる。東社長は「これからの時代は"職人"がキーワード」と、人材育成に力を注ぐ考えだ。


掲載日:2007年5月17日

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半導体山口県液晶表面処理製造業


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