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ものづくりの原点


第29回

髪の毛より細い穴を開ける技術力 [ダイニチ]

下村尚之社長

下村尚之社長

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目標は自分で値段を決められる加工

「髪の毛より細い穴を開けます」。これがダイニチ(岐阜県可児市姫ヶ丘1-33、下村尚之社長、0574-63-4484)のキャッチフレーズ。その言葉通り、同社は直径0.02mmという超微細な穴開けを可能した。「他社にできない加工をする」(下村尚之社長)という同社のモノづくりに対する姿勢が生んだ技術だ。難しい加工に積極的に取り組む姿勢が新規顧客を呼び込み、今では全国に約800社の取引先をもつまでに事業は拡大した。

同社は、もともと機械の組み立てを主な事業としていたが「収益性が悪かった」(同)。打開策を求める中で事業内容を部品加工にシフトすることを決心、営業活動をスタートした。

超微細穴開け加工技術による直径0.02mmの穴

超微細穴開け加工技術による直径0.02mmの穴

熱心な活動が実り、仕事を受注できるようになった。しかし、その一方で加工賃の交渉という悩みも出てきた。加工賃を安く抑えられれば、利益が出ない。自分で値段を決められるようになるためには、どうするか。そこで考えたのが、他社にできない加工だった。

下村社長は他社にはできない加工を「小物部品加工」(同)と考えた。ヒントは盆栽だった。「盆栽を作れる日本人は細かい作業が得意。小物部品加工なら得意分野を生かせる」(同)という発想だ。

そこで同社は数値制御(NC)複合加工機を導入、小物部品加工分野に進出。苦労もあったが、それを乗り越えながら受注を獲得していった。そして、次なるステップとして微細な穴開け加工分野へ挑戦していった。

きっかけは首都圏の鉄工所が開発した穴開け加工機との出会いだった。直径0.05〜4mmの穴開け加工が可能な機械で、その鉄工所に頼み込んで機械を自社の加工に合うように改造してもらい導入した。これにより直径0.05mmの穴開け加工が可能になった。

そこからさらに0.03mmも小さい直径0.02mmという穴開け加工に挑むことになったのは、ある自動車メーカーの発注からだった。直径0.05mmの穴開けに対応するとのうわさを聞きつけたそのメーカーが「直径0.02mmの穴を開けられないか」と依頼してきたのだった。

当時、直径0.02mmの穴開け加工というのは「ほとんど不可能に近かった」(同)。通常なら断るところだが、他社にできない加工という姿勢を貫き挑戦した。先端の直径が極小なドリルを入手するなどし、苦労しながら、要請された加工を見事にやり遂げた。この経験から同社は小物部品加工への自信を深め、チャレンジを加速することとなった。

産学の共同研究でロボットハンドを開発

同社の小物部品加工の技術が生かされ、話題となったものがある。それが5本指のロボットハンド「ギフハンド」だ。岐阜大学との共同研究によるもので、人間の手の形状をしているが、人間の手よりスピーディに動く性能をもつ。

このギフハンドの加工は、ほとんど同社が手掛けており、すでに大手企業や大学などの研究機関に納入した実績がある。ギフハンドは高度化に向けた研究が続けられている。今後も同社の小物部品加工技術がますます進化し、先端分野などで発揮されていくだろう。

常に他社にはできない加工を追求

ダイニチの強みは何と言っても、その挑戦する企業姿勢だ。製造業において「他社にはできない加工をする」という言葉はよく耳にする。言葉では簡単に言えるが、実際に、それを実行するのは並大抵のことではない。

不可能だと思える加工があると、取り組む前にあきらめてしまう企業が多い。スローガンだけではなく、本当に挑戦し、成し遂げてこそ、顧客を引き付ける言葉となる。今後も同社は挑戦で培った技術で信頼を増し、新しい顧客を次々と獲得していくだろう。


掲載日:2007年4月26日

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