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ものづくりの原点


第28回

技術開発進める総合表面処理メーカー [ケディカ]

三浦修市社長

三浦修市社長

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若手育成と技術確立に注力

「次世代リーダーによるケディカ維新の風を起こす」。めっき加工が主力のケディカ(仙台市泉区、三浦修市社長、022-777-1351)の企業コンセプトだ。06年に創業60周年を迎えた同社は、次世代リーダーとなるべき若手技能者の育成と、独自の表面処理技術の確立を進めてきた。

三浦社長は「中小企業には一人で二役、三役をこなせるマルチ人間が必要」と、技能者へ多機能性を求める。表面処理で言えば、めっきの素材を見分ける能力やそれに合った工程の選別、機械操作など、包括的な知識をもっていなければ顧客への対応は難しい。

同社では、表面処理の社内勉強会「ガルバノ会」を通じた技能講座のほか、現場を重視した技能教育にも力を入れている。講座では毎月一度にクラス分けがあり、個人の能力に合った教育方式を採ることで、一人ひとりの着実なレベルアップを図っている。工場で行う現場教育は、熟練技能者が講師を務め、めっきの手法や素材の見分け方、装置の使い方など、めっきの基本的なことを丹念に教え込んでいる。

表面処理加工の範囲拡大へ

06年10月、同社は半導体リードフレームへの鉛フリーめっきを手掛けるフィリピン工場(セント・トーマス市)を増強。現地の日系企業向けに、ハードディスク駆動装置(HDD)のベースやヘッド周辺部分へのめっき加工を始めた。HDD部品は、めっきが付きにくいアルミニウムを含み、さらにめっき膜厚が1〜2μmと高精度の加工が要求される。これを可能にしたのが、アルミニウム、精密部品へのめっき加工といった同社の技術力だ。

めっき加工した電子部品を洗浄しているところ

めっき加工した電子部品を洗浄しているところ

新技術は自社開発に加え、大学や企業との連携によるものも多い。このほど岩手大学と共同で、プラスチックやゴムなど、さまざまな材料に金属めっきする技術を開発。同技術はめっきの密着性も高いうえ、高濃度の6価クロムの溶液を使わずにめっきするため、環境負荷の低減にもつなげることができるという。これから量産化技術を確立し、実用化していく予定だ。

このほか、地場企業と連携して精密部品へのめっき技術の開発に取り組むなど、加工の裾野を広げている。現在、同社が手掛ける部品数は毎月平均300点にも上るという。

現在、同社が頭を悩ませるのが原料価格の高騰問題。特に材料費の3割を占めるニッケルは、「この2年で5倍ぐらいになっている」(同)状態で、価格転嫁も難しいという。こうした中で同社は、小型めっき装置の開発や安価な装置の導入などでコスト削減に取り組んでいくほか、「めっきで薄膜を付ける利点などを、自分たちから提案していかなければいけない」(同)と、提案型企業への進化を図る。

同社の売り上げに占める顧客の業種の割合には、ここ2〜3年で変化が見られる。特に、これまで約半分を占めてきた半導体関連は、コンパクト、高集積化が進み、めっき処理を必要とする比率が減少傾向。

その一方で、環境対応への取り組みが盛んな自動車関連が好調で、今後も伸びそう。全体的に見ると、表面処理の受注自体は増えており、07年12月期は前年度比10%増の売り上げを見込んでいる。

徹底したモノづくりへの取り組みと若手育成

ケディカは、07年度のテーマに“真品質と真技術の確立”を掲げた。めっきの役割は外見からはわからないが、製品の機能を支える重要な黒子役。だからこそ、一人ひとりが真心を持って取り組むことで、より顧客から信頼される企業を目指す。

また、「やる気を出させる仕組みを企業から作らないと、技能伝承は難しい」(同)とし、めっき技能検定合格者へ奨励金を設け、自発的な取り組みを促している。モノづくりへのこだわりと技能教育の徹底。これこそが、ケディカの強みだ。


掲載日:2007年4月19日

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半導体宮城県表面処理製造業


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