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ものづくりの原点


第25回

物流システム全般の河原を目指して [河原]

河原良雄社長

河原良雄社長

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リフトテーブルの85%はオーダー品

顧客のニーズに対応するリフトテーブル

顧客のニーズに対応するリフトテーブル

河原(広島県尾道市長者原2の162の11、河原良雄社長、0848-48-2536)はリフトテーブルを主力に深穴加工機などの工作機械、ロボットを搭載するための走行装置などを設計、製造している。売上高の75%が受注生産品なのが同社の大きな特徴といえる。

1974年の設立時からの商品であるリフトテーブルは、テーブル寸法が60センチ×90センチメートルの小型から、100トンもの重量物を上げ下げするものまで多岐にわたる。リフトテーブルの85%がオーダー商品だ。使用場所も工場の製造ラインで部材を移動させたり反転させたりするものから、コンベヤ付きで稼働するものなどがある。ほかに高所作業用、舞台装置やイベントのステージとさまざま。車両に取り付ければ、航空機の給油作業車など特殊車両に変身する。普段、人目には付きにくいが、マルチに活躍する商品だ。

このように利便性が良いため、顧客から要求される機能も昇降だけでなく、回ったり、走らせたりと、どんどん複雑化してきた。結果、河原良雄社長は「自然にオーダーメードが得意になっていった」という。オーダーメードが得意ということは、注文が入るたびに、新しい技術への挑戦を余儀なくされる。顧客からの要望や意見、提案を受け入れる姿勢を貫く以上、常に挑戦を続けざるをえなかった。

しかし、その顧客対応こそが、今日の技術力蓄積につながった。納入実績が10万台以上となった今、振り返ってみると「実績がそのまま研究開発になっていた」(河原社長)わけだ。あえて「研究開発」と唱わなくとも「新技術が自然に生まれて育っていく」模範例といえる。

そのオーダーメード対応を続けていくうち「河原に頼めば何とかしてくれる」(同)という評判から、受注は増加。業界の推計によると、数年前からは国内の油圧リフトの生産量でトップとなった模様だ。

「壊れにくくて長持ち」との賛辞

もちろん、すべてが順風満帆に来たわけではない。30年ほど前には、大小合わせて国内に40数社の競合企業が存在した。河原は先発メーカーではあったが、決して大企業ではない。設計畑出身の河原社長も自ら、営業に出向き、顧客の声に耳を傾けた。難しい要求に頭を抱えることもあった。だが「世界のどこにもない特殊なものができ上がった時の喜びは、何ものにも勝った」(同)という。

今なお20年以上前に、社長が設計したリフトテーブルが稼働している現場がある。顧客からの「壊れにくくて長持ちしている」との知らせは、メーカーに向けられる何よりの賛辞だ。競合他社は大半が時代と共に淘汰(とうた)された。そしていま顧客からは複雑でありながら、精密かつ緻密(ちみつ)な動きで人や物を自在に動かせる、リフトテーブルへのニーズがますます高まってきている。

今後も発展しながら生き残るには、顧客のニーズに合った複合機能の開発が不可欠。同時に「物流」という大きな枠での事業発展を目指している。その実現に向けた課程の中では、海外展開は不可欠。現地法人のある中国から12人の研修生を迎えて技術指導にあたっている。市場としても海外には、日本ほど高品質なものがあまり出回っていないこともあり、拠点整備を含めた海外強化にも取り組んでいる。

30数年をかけた技術を生む態勢

河原の強みは何と言っても、30数年に渡って培ってきた独自技術だろう。中には、これまで数台しか製造することのなかったニッチ商品もある。通常なら利益率の悪さから断るようなものを「次のステップになる」と判断すれば、引き受けてきた。やがて、それら商品に搭載された技術がまた、新たな技術を生み出してきた。単純なサクセスストーリーに見えるかもしれない。しかし、これを長年続けることがいかに難しいか、企業人ならわかるはずだろう。


掲載日:2007年3月29日

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