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ものづくりの原点


第24回

接合技術の応用で用途拡大目指す [千田精密工業]

千田伏二夫社長

千田伏二夫社長

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最新技術導入により部材製作が可能に

千田精密工業(岩手県奥州市、千田伏二夫社長、0197-56-2464)は、充実した機械設備と従業員の技術力を生かした短納期、多品種少量生産が強み。本社工場をはじめ岩手県内に三つの製造拠点を持ち、金型、大物部品、微細部品と、各工場で異なる分野の部品加工を手掛けてきた。また最近は最新の溶接技術を導入し、部材製作への応用研究を進めている。

2005年12月には、摩擦攪拌(かくはん)接合(FSW)と呼ばれる技術を導入。同社は以前から、半導体のターゲットシールドなどのアルミ部分の溶接に合った方法を模索していた。そこでFSWの存在を知り、中小企業では初の導入となった。

FSWは横に並べた二つの材料の接合部を溶接ピンの回転による摩擦で暖め、ピンを内部へ入り込ませて撹拌、前進させながら接合していく技術で、英TWI社が開発。従来の溶接技術と比べて、前処理などが必要なく、一度に接合できるため作業時間を短縮でき、有害物も発生しないなど多くの利点がある。

同社は半導体や液晶の製造装置部品など大物加工を行う大槌工場へFSWを導入。それにより装置のアルミ部材の製作が可能となり、部材製造から切削・研磨などの2次加工、組み立てと一貫した生産体制の構築を実現した。

「導入してから今までの1年間はFSWをPRする年」(千田社長)と据えていたこともあり、利益はまだそれほど大きくはない。しかしサンプル品の提供を求める声も増えており、徐々に注目されてきている。またFSWの用途をさらに広げようと、自社での研究を推進中。鉄や、アルミ・鉄といった異質材への応用ノウハウを確立することで、同社で行う部材加工の範囲を拡大していく考えだ。

産学官連携で新たな研究が始動

2007年1月に導入した摩擦スポット接合(FSJ)用ロボット

2007年1月に導入した摩擦スポット接合(FSJ)用ロボット

07年からは新たな接合技術の研究もスタートした。岩手県や岩手大学など産学官連携により、FSWを応用した摩擦スポット接合(FSJ)技術の用途拡大が目的。FSJは重ねた板材の上から、溶接ピンの回転で材料を溶かしながら接合する技術で、自動車部品などのアルミ材の板金加工に使われている。

同社は1月に前沢工場にFSJ用ロボットを1台導入。3月にはさらに1台追加し、研究を本格化させる。当面は薄物の鉄板接合への応用を目指し、溶接ピンの形状や材質、回転速度などのノウハウを確立する。実用化できれば「従来の接合方法と比べて、ガスの発生を抑制するなど環境のクリーン化が実現できる」(同)ほか、コストや溶接時間の削減も期待できる。

また確立した技術は自社で囲い込むのではなく、「我々から営業してもっと広めていきたい」(同)として、板金加工業者を中心に技術提案していく考えだ。そうすることで「中小企業同士でチャンスを作れればいいと思う」(同)と、新技術の普及による中小企業の発展も視野に入れている。

同社の06年11月期の売上高は14億6800万円。研究成果が出るまでにはまだまだ時間が必要だが、07年11月期は半導体分野の伸長などで15億5000万円の売り上げを見込んでいる。

技術へのこだわりも強み

千田精密工業はFSW導入のほかにも、大型5面加工機による加工を東北地域で初めて行うなど、技術・設備の積極的な導入などで業績を伸ばしてきた。

同社がFSWの導入を検討していた当時は、FSWはまだ完全にノウハウが確立されていない技術で、応用が難しいと言われていたという。そこで「我々、技術屋がその分野をやるべきだ」(千田社長)と導入を決意し、応用研究に着手。こうした技術への飽くなき探求心も、同社の強みの一つと言える。


掲載日:2007年3月22日

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