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ものづくりの原点


第23回

高性能、高品質の製品作りを目指して [谷口金属熱処理工業所]

谷口裕久社長

谷口裕久社長

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18年間クレームゼロ

谷口金属熱処理工業所(愛媛県西条市喜多川853の16の1、谷口裕久社長、0897-55-5515)は、建設機械部品や船舶向け部品の熱処理がメーン。海底掘削用パイプや風力発電用リングなどの大型部品にも手を広げている。1975年、大阪府堺市で谷口社長の実父・谷口登会長が設立した。1985年に愛媛県西条市に四国工場を開設した。06年6月には利便性や業務の効率化などを理由に、本社を四国に移し、積極的な経営を展開している。

「わが社の技術は長さ13メートルの製品を熱処理して歪みはわずか2.5ミリメートル。常に不良、不具合ゼロを目指している」(谷口社長)と品質にとことんこだわる。品質向上につながる設備や社員教育などへの投資を惜しまないことから「18年間も製品へのクレームがない」(同)と胸を張る。 

熱処理技術の開発にも注力している。とくに04年3月に愛媛県のアクティブ・ベンチャー支援事業に認定された「ホットガスを活用した等温熱処理炉システム」は「3K(きつい、汚い、危険)」のイメージを一掃するシステムだ。

システムは有害なガスが発生し、エネルギーロスの大きい従来の塩浴炉に替えて等温で不活性なホットガスを密封した断熱容器で熱処理する。作業環境が改善でき、環境負荷が少ないのが特徴。05年3月にはシステムの知的財産権を担保に日本政策投資銀行などから合計2億8000万円の融資を受けている。

04年9月に開発した「拡散接合技術」は、さまざまな金属同士をある条件下で加熱、加圧することで金属の原子同士を拡散、数10マイクロメートルの幅で混ぜる技術。航空機や精密部品など高付加価値製品への応用を目指している。さらに05年2月には鋼材の表面を5ミリメートルの深さに浸炭することで、耐摩耗性などが通常より約15倍も向上する熱処理技術「深(ふか)浸炭技術」も開発している。

四国で唯一、戦略的基盤技術高度化支援事業に認定

06年10月に兵庫県加西市の加西南産業団地に、延べ床面積4098平方メートルの新工場を完成した。総事業費15億円をかけた新工場は、ホットガスを使った等温熱処理炉に耐摩耗性などに優れた深浸炭処理、さらに拡散接合もできる最先端工場。「熱処理炉や冷却用油槽などの大きさでは日本一」(同)で、中型から大型の建設機械部品の熱処理を手掛ける方針だ。

中型から大型の建設機械部品の熱処理を手掛ける新工場

中型から大型の建設機械部品の熱処理を手掛ける新工場

加えて開発中の技術が「マルチ冷却制御によるマルクエンチ技術および装置」。06年8月に「第1回ものづくり高度化法」、10月には「戦略的基盤技術高度化支援事業」で四国で唯一認定となった。浸炭処理と熱処理を連続処理する環境配慮型の新熱処理システムで、ひずみは従来の約半分、経年変化も抑えられる。高精度で高強度が必要な自動車のギア部品などに適しており、装置本体の販売も視野に入れて07年度中の完成を目指している。

06年12月には本社と大阪工場で環境管理・監査の国際規格「ISO14001」の認証を取得。今後、加西工場にも範囲を拡大するほか、労働安全衛生マネジメントシステムにも挑戦中だ。

現在の売上高は15億3000万円(06年9月期)。今後も高性能、高品質の製品作りにチャレンジする姿勢で、07年9月期に売上高20億円、09年9月期には30億円を目指している。

将来の熱処理業を予感

同社は熱処理技術の向上のためには常に研究開発、人材教育、設備投資が不可欠としている。特に環境配慮型の熱処理炉システムは、一歩先を行く先端技術だけに、将来の熱処理業の姿を予感させる。一方、売り上げに占める処理品の割合はどの製品も1〜2割程度でリスクが小さく、小物は数ミリグラムのカミソリ刃から大物は60トン近くする原子力発電所向け高圧配管まで多岐にわたっている。


掲載日:2007年3月15日

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