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ものづくりの原点


第22回

厳しい品質要求にこたえる [アジア技研]

溝口純一社長

溝口純一社長

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自動選別機でクレームゼロ

アジア技研(北九州市小倉北区、溝口純一社長、093-533-0170)は、スタッド溶接システムや工業用ファスナーの製造、販売を行っている事業者。同社は一日当たり10万〜20万個のスタッド(溶接専用のネジ)を生産している。素材は鉄のほかステンレス、アルミニウム、マグネシウムなどさまざまだ。大半が全自動のスタッド製造装置で成形しているが、出荷したスタッドはあらゆる製品に使われるため、高い品質が求められる。

「1本でも不良品が混じっていれば、お客さんの商品は台無しになってしまう」と溝口社長。人命にかかわるような重要部品に使われる可能性もある。

こうした厳しい要求にこたえるため、同社が導入しているのが全自動のスタッド検査選別装置だ。「不良品はもちろん、不良と疑わしきグレーゾーンのものもすべてはねる」(溝口社長)ため、完全な優良品のみが残る仕組みだ。

この装置には1000万円を超える投資を要した。決して安い投資ではなかったが、この装置を導入した2001年以降、スタッドの品質に関するクレームは1件もないという。

溝口社長は「社員には人のことを信用するなと言っている」と話す。「何よりも私たちは毎日信用を作っているんだということを考えながら仕事をしていかなければならない」と日々、社員に説いているという。

マグネシウム分野に期待

そんな同社がこれからの事業の柱にと期待を寄せるのが「マグネシウム合金スタッドの溶接技術」だ。マグネシウムは軽く、リサイクルが容易という特性を持つ。現在では軽量化や環境配慮の観点から、ノートパソコンやデジタルカメラ、携帯電話の筐体などに用途が広がりつつある。ただ一般的な金属に比べて融点が低いなどの特性があり、加工の難しさが課題とされていた。

板厚0.5mm以上であれば施工可能なマグネシウム合金スタッド溶接

板厚0.5mm以上であれば施工可能なマグネシウム合金スタッド溶接

同社は数年前にマグネシウム板に溶接しても表面に溶接跡が見えないように加工する技術を確立し、本格的な普及に乗り出した。「アルミニウムで作っている自動車部品がマグネシウムで作られるようになれば、市場が一気に広がる可能性もある」(同)と期待を寄せる。

05年6月にはマグネシウム合金のスタッド溶接システムの販売を専門に取り扱う別会社・日本アムファスト(溝口社長)を設立した。

アジア技研は製造に専念し、新会社は従来の一般金属向けとは一線を引き、新市場の開拓に専念しようという意思の表れだ。

また新会社は従来の製造分野以外の事業創造という役目も担っている。例えばソフトウエアの開発だ。日本アムファストが入居しているビル・アジア太平洋インポートマート(北九州市小倉北区)はIT関連企業が多数入居している。同社はいわば異質の存在なのだが、溝口社長はその環境を生かした周辺企業との連携を思い描く。

「世界中どこであってもインターネットと装置をつないでおけば溶接システムの稼働状況を確認できるというソフトウエアを、入居している企業と開発してみたい」という。実現すればあらゆるメーカーが対象となるため「ハード、ソフトを汎用化しておけばほかの業界にも売り込めるはず」と意気込む。

加工の難しさを克服

マグネシウム合金は融点が600℃と低いこと、また酸化スピードが速いことなどから溶接が難しいとされていた。そこでアジア技研は電気的な回路とそれに追従する機械的な動きの部分を短縮する機構を開発した。一般的な金属のスタッド溶接は約1000分の1秒で終えるが、これを1万分の1秒で完了する必要があったためだ。

実験と試作を繰り返した結果、板厚0.5mmのマグネシウム板に溶接しても表面に溶接跡が見えないように加工する技術を確立した。


掲載日:2007年3月 8日

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