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ものづくりの原点


第11回

小回りのきく経営で新領域を開拓 [三重電子]

林喜好社長

林 喜好社長

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大手下請けから独自路線へ

三重電子(三重県明和町、林喜好社長、0596-52-5281)は、エレクトロニクス分野で独自技術を磨き、事業領域を広げてきた。今ではプリント基板の実装や電子機器の組み立ての受託事業から、液晶ディスプレーや電子部品・機器製造設備の自社製品事業までと幅広い。中小企業ならではの小回りのきく強みを生かした経営を重視。林社長は「特徴ある技術を世に出したい」と一層の技術開発に力を入れる。

液晶関連製品で小ロット受注に対応して事業拡大を果たす

液晶関連製品で小ロット受注に対応して事業拡大を果たす

1980年代、同社はシャープや任天堂から液晶電卓、ワープロ、ゲーム機などの組み立てを請け負って成長した。当初は材料や生産設備は大手からの支給がほとんどだった。部品やモジュールレベルでの組み立てから完成品まで対応してノウハウを蓄積した。最適な生産方法を提案するため、自社内で製造装置や検査装置など設備類まで作るようになり、メカトロニクス技術も高めた。

90年代に入り、取引先の大手企業は生産拠点を海外へと次々と移管した。その中で同社は単に大手の下請けに徹するだけでなく「将来に向け幅広い技術を身につけるため独自路線を歩む」(林社長)ことを決意。液晶パネルに搭載するICドライバーの実装という新たな受託事業、さらに自社ブランドの液晶ディスプレーの製造や液晶製造装置の販売などへ挑戦した。

これらは「小ロット生産が多い」(同)。例えば、液晶ディスプレーは量産品ではない産業機械や医療機器などでも使われており、顧客の研究開発段階の試作というニッチ分野にも素早くこたえるのが得意だ。

今では、国内でしか対応できない最新ゲーム機用ソフトのカートリッジの組み立てなども請け負う。一方でニッチ分野の試作業務、液晶ディスプレーなどの自社製品という新領域の事業が、売上高の半分を占めるまでになった。

研究開発に注力

00年以降は国内に残る最先端分野にかかわっていこうと技術開発に積極的だ。ハンダでは不可能な数十マイクロメートル単位の端子の接合を熱圧着で加工する「マイクロ接合技術」を開発した。異方性導電材という接合剤を用いて熱、圧力を制御しながら接合する技術だ。液晶ガラス、電子ペーパーなどに半導体を載せるために欠かせない技術として利用拡大を見込んでいる。

さらに今もっとも力を入れているのが無接触伝送技術だ。これは電磁気により数ミリメートル〜1センチメートルの間を配線なしで、電力や制御信号を伝えモーターなどを動かす。例えば、ロボットの関節部分で同技術を使えば、配線レス化でき小型化が可能となる。地元の三重大学と連携し、産学連携で研究を進めている。

同技術の実用化に向けては、すでに大手企業の研究開発部門から約10件の試作開発の依頼を受けている。実証実験などを重ねて同技術を「発展させて、顧客が実際に使えるようにカスタマイズする」(同)と自信を見せる。

将来的には、これらを自社技術として事業化するだけでなく、量産に向けては蓄えた知的財産を売ることを検討するとしている。同社は今後、あくまでコア技術の開発に専念する。最先端の試作を請け負うのも、そのための技術蓄積を狙いとしている。「コツコツと着実に新しい技術開発にチャレンジしたい」(同)とオンリーワン技術の追求を貫く方針だ。

自由な雰囲気で研究者を育てる

最先端の研究開発により中小企業の大きな課題である人材も確保できるようになった。06年には津市内の三重大学近くに無接触伝送技術開発を専門に行う「R&D事務所」を開設、研究者4人のチームを編成した。「研究に自由に取り組める環境をつくる」(林社長)のが狙いだ。

大手企業にも臆することなく、対等な関係で新技術を産み出す協力関係を築けるようにもなった。「研究者による新しい提案を引き出したい」(同)とし、この伸び伸びとした企業風土をさらに盛り上げる考えだ。


掲載日:2006年12月14日

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