本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > ものづくりの原点

ものづくりの原点


第10回

猟銃は人と機械の融合した複合技術の結晶 [ミロク製作所]

弥勒美彦社長

弥勒美彦社長

ルーツは戦国時代の鉄砲鍛冶(かじ)

ミロク製作所(高知県南国市、弥勒美彦社長、088-863-3310)は、ショットガンやライフルなど約10種類の猟銃を年間12万丁生産する国内トップメーカー。主力は年間4万丁の生産量を誇る上下二連銃で、高い品質やデザインの良さなどから世界でも高い評価を得ている。

創始者弥勒蔵次が1893(明治26)年に猟銃の生産を始めたのに端を発している。さらにさかのぼると、戦国大名山内一豊が土佐入城の際に連れてきた鉄砲鍛冶に由来するという説もある。会社の設立は1946年。66年に米国ブローニング社と業務提携した。OEM(相手先ブランド)生産する猟銃は、8割が米国、2割が欧州向けで「BROWNING」のブランドで世界に送り出している。

03年5月に持ち株会社方式による分社型新設分割で、大証2部上場のミロクの連結子会社となった。ミロクからこれまでの猟銃事業を継承、猟銃事業グループの中核企業として新たなスタートを切っている。

壊れなくて困る正直なモノづくり

「猟銃は金属加工、木工、調整、組み立て、彫刻など複合技術の結晶。工業製品としての品質(命中精度)、安全性、耐久性に加え、さらに工芸製品として高い芸術性が求められる」(弥勒美彦社長)と猟銃づくりの難しさを語る。

同社のモノづくりを支えるのは、人と機械が融合したマイクロメートル単位の加工・調整技術と金属や木材の膨張・収縮の制御技術、さらに芸術性の高い彫刻技術だ。中でも代表的なのが05年に「現代の名工」を生んだ熟練工らによる「ゼロ嵌合(かんごう)」といわれる技術。

長年の猟銃技術から、さまざまな新技術が生み出されている

長年の猟銃技術から、さまざまな新技術が生み出されている

火薬の爆発の衝撃に耐えるために銃身部の端面と機関部の接合面をすき間なく合わせ込む技術で、同社は熟練工により100分の1ミリメートル以下の高精度で高い耐久性を実現している。

「ユーザーから10万発撃ってもガタひとつないとほめられる一方、ミロクの銃は壊れなくて困ると銃砲店から文句が出る」(同)と笑う。モノづくりに取り組む姿勢は誠実で正直だ。

06年には、設立60周年を迎える。「わが社の強みは猟銃事業から生まれた技術。これをどう生かして創造性豊かな商品・技術を開発するかが大きな課題」(同)と、新分野への展開を加速している。

既に銃身部の加工からはガンドリルマシン(76年販売開始)を、木工加工からは高級自動車用純木製ハンドル(00年出荷開始)を生んだ。目下、事業化を推進中なのが、猟銃用木材の耐候性研究から生まれた建築関連製品「ミロモックル」。薬剤を木材に浸透後熱処理し、狂いや腐食を防止する含浸技術を応用している。

猟銃の生産技術向上にも手を抜かない。銃身の厚さを薄くし、機関部をチタンやアルミに替えて約1ポンド(約453グラム)軽量化に成功したほか、2本の銃身を高強度で接合する技術でスリム化を実現している。

06年3月、新工場用に敷地面積約1万平方メートルの土地を高知県香美市に取得した。07年11月に稼働予定の新工場は、ミロクグループ全体の生産効率化を加速する部品加工拠点とする方針だ。

将来、他社の部品製造・加工も検討しており、ミロク製作所は、人と機械の融合した猟銃生産技術の向上とその技術の応用を軸として、さらなる飛躍を目指している。

人の技と機械の高度な融合

猟銃の生産は、現代の名工を輩出するほどの熟練工の技と高精度な機械が高いレベルで融合することによって初めて可能になるといえる。さらに宝飾品に相当する最高級製品の彫刻には1ミリメートルに20本もの線を彫る究極の技と創造的なデザインセンスを併せ持つマスタークラスの職人が不可欠だ。

技術伝承が困難で技術レベル低下が危惧される現在、同社は逆に職人の質や生産技術をさらに向上させているほか、猟銃から派生する技術の用途開発にも余念がない。


掲載日:2006年12月 7日

前の記事次の記事

加工製造業高知県


このページの先頭へ