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ものづくりの原点


第13回

輝きを放つめっきのデパート [田口電機工業]

田口英信社長

田口英信社長

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少量多品種で顧客のニーズにこたえる

田口電機工業(佐賀県基山町、田口英信社長、0942-92-2811)は、50種類を超えるメッキ加工や各種表面処理を専門に手掛ける。電気メッキや無電解メッキ、複合メッキ、アルマイト加工、化成処理など、さまざまな品種を取りそろえて顧客のニーズにこたえる「めっきのデパート」を自負する。

1952年7月、田口英夫前社長が硬質クロムメッキを専門に個人創業した「九州硬化クローム工業所」から田口電機工業の歴史は始まる。公害問題に注目が集まり、六価クロムが有害物質として騒がれ始めると、一般メッキ部門を拡大。電気製品の組み立て生産を主力にしていた時期もあった。現在では表面処理技術に特化。生産設備の大半を自社製作し、少量多品種生産で強みを発揮する。臨機応変に生産工程の組み替えや特殊な表面処理への対応ができるため、低コストや短納期を実現する。

しかし、ここまでたどり着く道のりは、決して平坦(へいたん)ではなかった。84年2月、工場火災が起こり、1年間休業。工場も事務所もプレハブからの再出発となった。限られた設備では少量生産するしかなかったが、そのことが顧客のニーズを捕らえ、時代の変化に適応していくことができた。九州には半導体産業が集積しており、「半導体との出会いで50種類を超える加工技術が確立できた」(田口英信社長)という。

さらに進む環境対策と技術開発

めっき工場の現場

めっき工場の現場

また、環境対策には万全を期す。工場内外の土間は、すべてFRP(繊維強化プラスチック)樹脂加工しているため、薬品漏れによる地下浸透を防止する。工場は水を床に流さない構造にし、業界特有のゴム長靴やゴム前掛け、ビニール手袋の必要性をなくした。排水処理に関しても、同社の設計・施工による全自動排水処理施設が力を発揮している。工場は国際標準化機構(ISO)の14001と9001の認証を取得。鉛フリーや欧州特定有害物質規制(RoHS)への対応にも力を入れている。

「同業他社がまねできない付加価値をどれだけ持てるか」(同)と話すように、田口電機工業の技術開発に対する意欲は非常に高い。現在、力を入れている分野はナノテクノロジー関連や水素エネルギー関連。佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター(佐賀県鳥栖市)の設立により「ナノテクとメッキの接点が見つかった」(同)のため、ナノテク分野に進出した。大学との共同研究に加え、実際に同センターで実験をしており、産学官のれん系で成果を上げる考えだ。シンクロトン光とメッキ技術の応用で、ナノ金型やナノ部品の製造などが期待される。「加工業は技術が売り物。ナノテクを武器に、メッキをハイテクへ発展させる」(同)と意気込んでいる。

田口電機工業は地に足をつけ、メッキ技術を磨いている。あくまでも「一つの技術を応用して発展させていく」(同)考えで、海外展開に関しても「九州から世界へ発信」(同)したいと地元志向を強調する。九州には半導体産業と自動車産業の集積が進んでおり、同社も両産業を中心に据えて展開していくことになるだろう。工場の拡張も計画され、着々と次の段階へと歩を進める。

信頼性あっての企業発展

ISO14001と同9001の認証取得やRoHS指令の対応からも分かるように、環境対策や品質管理に徹底して取り組んでいる。メッキ工場は薬品を使用するため、「環境汚染や公害のイメージがある」(同)のも事実。そのため、環境にやさしい工場づくりで地域や顧客の信頼を勝ち取り、悪いイメージの払拭(ふっしょく)を心掛ける。高い技術力と同時に、環境配慮型企業として地域とともにさらなる発展を期す。


掲載日:2006年12月28日

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佐賀県環境表面処理製造業


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