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ものづくりの原点


第6回

地域と共に進化する表面処理技術 [緒方工業]

金森秀一社長

金森秀一社長

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半導体と自動車の融合技術を

緒方工業(熊本市、金森秀一社長、096-352-4450)は、モノづくりではベーシックな技術の表面処理ながら進化を続ける。06年10月期の売上高見込みは約12億円、従業員は100人。現在は半導体リードフレーム、セラミックス製パワーモジュール電子基板、半導体製造装置、自動車、ロボットなどの部品に対し鉛フリーのハンダメッキ、無電解ニッケルメッキ、硬質アルマイト、電解研磨といった表面処理を行う。

同社の主力業務は地域の産業動向と大きくかかわっている。まず農機具メーカーの進出に対応し、続いて立地した半導体メーカーのニーズに対応した。現在、金森社長が注視しているのは自動車産業の動向だ。九州は半導体生産拠点として“シリコンアイランド”と呼ばれている。一方、自動車産業の進出によって“カーアイランド”という言葉が定着する日も近そうだ。その時、「両者を融合するサポートインダストリーとしての表面処理技術を確立したい」(金森社長)と意欲を燃やす。

また金森社長は、一企業としての使命を十分自覚する。メッキ業者は全国的に減少の一途をたどっている。その中で「環境問題を克服しながらユーザーに技術を提供するのが使命だし、だれでもできない事業」(同)と胸を張る。さらに、自社が繁栄することにより地域の産業経済に貢献し、地域住民の充実した働く場となることを意識して経営に取り組む。

主力業務の半導体リードフレームのめっきライン

主力業務の半導体リードフレームのめっきライン

同社の技術の変遷を見ると、まず農機具メーカーとの取引で培った基本的なメッキ技術があった。続いて半導体メーカーとの出会いでリードフレームの表面処理技術を習得。ここでは「大量生産のQCDを学ばせてもらった」(同)。近年は、国や公設の研究機関、大学、ユーザーの研究室などとの共同研究によって高度な新技術にチャレンジする。15年前、「新素材をやりたい」(同)と取り組んだセラミックスへの直接表面処理は現在、主力業務に育った。

環境技術を柱の一つに

今後は半導体関連と自動車との融合技術が大きな課題。すでに自動車関連企業であるアイシン九州とも少しだが取引がある。また、同社が表面処理した半導体関連モジュールはハイブリッドカーに搭載済み。今後は、直接の自動車部品の処理だけでなく、半導体部品を通した自動車産業へのアプローチも増えると予想する。このほか船舶関連メーカーと取り組み始めたのはアルミダイカストへの表面処理。塗装に代わる表面処理として硬質アルマイトができないか模索中。これは「自動車エンジンの前段階としての取り組み」(同)という。

メッキ業は環境問題がつきものだが、その技術開発にも積極的だ。国や公設の研究機関、大学などとメッキ排水からニッケル、亜鉛などを回収する技術を開発し、その成果を生かして装置開発を進めている。開発プロセスと設計は同社が担当し、装置は同社が参加する異業種グループ「ガマダス」が作製する。これに商社、メンテナンス企業が加わった事業は経済産業省が推進する新連携事業に指定された。環境技術は「今後の柱の一つにする方針」(同)だ。

こうした新事業の成長を予想すると、現在の本社工場だけでは手狭になる。今後の事業展開は「新工場建設を視野に入れて」(同)検討中だ。

従業員100人のうち10人が技術開発部門。技術開発から量産技術確立までを担当する。開発部員は国や公設の研究機関、大学、ユーザーの研究所などの研究員とつきあいが深い。そこから生まれる共同研究によって新素材に対する表面処理、環境技術などの新事業が育ってきた。またユーザーニーズに対応できるし、オリジナルな表面処理ができる要因でもある。このほか処理表面の分析に力を入れる。分析装置を備え、ユーザーに表面の状況を説明できるようにしている。


掲載日:2006年11月 7日

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熊本県産学官連携自動車部品表面処理製造業


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