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ものづくりの原点


第5回

全国を相手にする大分の金型メーカー [テオリック]

秋国元専務

秋国元専務

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何もない場所に製造業を

テオリック(大分県国東市、畠山恭子社長、0978-72-3917)は、精密金型の生産を手がける。リードフレーム向け金型の生産で培った技術力を活かし、電子部品や精密機械などに納入先を拡大してきた。大手製造業の金型生産を外部に出す動きは続くと見ており、ユーザーニーズに対応できる品質、コスト、スピードを磨いていく。

5Sが徹底されている金型工場

5Sが徹底されている金型工場

同社が立地する大分県国東市国東町は大分県北部、国東半島の南東に位置し、南に海、北に山が連なる風光明美な場所。しかし産業という面から見ると、製造業はソニーの半導体後工程工場があるくらいで、主な産業は農業や漁業などの一次産業だ。

この地で創業した理由について畠山貞三会長は「東京都大田区のような製造業が集積する場所ではなく、周囲に何もない土地で製造業を根付かせたかった」と説明する。地方の大きな課題は若者が都会に出てしまうこと。「今のような時代こそ、地方はものづくりに頑張らなければならない」(畠山会長)。

同社は96年に創業し、当初は九州内の大手家電メーカーが手がけていたリードフレーム用の金型を生産した。半導体の回路線幅が小さくなるにつれリードフレームも微細化が進む。当然ながらリードフレームを生産するための金型もより精密さが求められた。同社はこの時に会社の基礎となる精密金型の生産技術を取得した。

国内のリードフレームの生産が少なくなり、同社は8年前から他業種の顧客開拓を進めてきた。今ではリードフレームの金型は生産しておらず、コネクターや時計向けの金型が主力だ。「顧客が求めるスピード、品質、価格で対応できれば顧客開拓は難しいことではない」(同)。

ものづくりと人づくり

ものづくりの基盤技術である金型。だが大手製造業は「コストがかかるからと、どんどん外に出している」(同)という。このことは同社にとっては大きなビジネスチャンスであり、今後の成長が期待できる。そこで同社は近年、社員の採用を進め技術者の養成を図ってきた。

05年3月、体系だった社員教育を実践しようと社内に「匠塾」を開いた。塾長として九州の大手家電メーカーで社員教育などを担当した技術者を塾長として迎え入れた。(1)仕事を好きになってほしい(2)出来ないといわない(3)失敗を恐れない(4)手段は無限(5)技術の世界に頂点はない−などの目指す項目を掲げ、週2回、生産現場の社員を中心に開催する。

具体的内容は製造業として必要な知識の習得やカイゼン活動の研修のほか、自分のつくった製品が社会でどのように貢献しているかを教えたりもする。“人づくり”に重きを置き、製造業に関する知識だけでなく、「働くことの誇りを持たせたい」(西村吉郎塾長)との理由からだ。

金型の技術者は一人前になるには「最低3年はかかる」(秋国元専務)という。技術者として一人前になると同時に人としても成長する。匠塾が目指す姿はここにある。

同社の社員数は39人、平均年齢は31歳と非常に若い会社といえる。「最近は若手社員の目の色が変わってきた」(同)と匠塾の効果は徐々に表れている。大分県国東市という決して製造業の立地場所としては恵まれていない場所で、製造業を根付かせたいというテオリックの挑戦はこれからも続く。

マシニングセンターなど複数の工作機械が稼働するテオリックの金型工場。5S活動が徹底され、金属加工を行う工場とは思えないほどきれいだった。「5Sは製造業の基本」(渡辺捷昭トヨタ自動車社長)というように工場を見れば、その企業のレベルがある程度わかる。テオリックは精密加工という確固たる基盤技術を確立しながらも、さらに常に前へ前へと進もうとする姿勢が工場に表れているようだ。


掲載日:2006年11月 2日

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大分県生産改善製造業金型電子部品


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