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ものづくりの原点


第7回

パイプ加工品の試作で2輪業界から厚い信頼 [試作中村板金]

中村幸弘社長

中村幸弘社長

顧客の最適生産実現する試作が人気の秘密

「どんな難しい試作も絶対に断らない」。試作中村板金(静岡県浜松市、中村幸弘社長、053-487-4500)は、パイプ加工品などの試作メーカー。2輪車用フレームなどが主力で、主要2輪車メーカーと取引実績がある。1982年にビニールハウスを事務所として創業し、知人に仕事を紹介してもらいながら事業を続けた。仕事を選ぶ余裕などなく、どんな案件もトコトンやり切る。そんな時代に蓄積した技術力、開発力が口コミで広がり、今では「他社には頼めない」という試作案件が持ち込まれるようになった。

顧客の工場に最適な量産を実現する試作が人気だ。「新しい機械を使えば誰でもできる。顧客の工場にある機械を使うのが原則」と中村幸弘社長は胸を張る。同社の試作には低コスト、高効率生産のアイデアがふんだんに盛り込まれている。顧客の工場の状況もきめ細かく把握し、同社と同じ金型や治具、加工データを使えば、すぐに量産に入れるのも好評だ。

05年春に静岡県浜松市に新工場を建設した。工場内には6軸レーザー加工機や、1チャックで3曲げを可能にする独自のパイプベンダーなど、顧客の難題にこたえるための設備が並ぶ。6軸レーザー加工機の導入によりこれまでの機械加工を、同機に置き換えることが可能となった。開先加工も、より精密に美しく仕上げることができる。またブランキング(せん断)加工と異なり、金型も使わないため、小ロットにも対応しやすい。

不可能を可能にする技術開発の実績により燃料電池車関連など次世代技術の仕事も入り始めた。さらに現在、機械メーカーと加工内容をカメラで監視しデータ化として完全無人加工を実現するレーザー加工機を共同開発している。今後は、パイプなどの金属加工にこだわらず、2輪車や4輪車の軽量化に不可欠な樹脂部品を試作したり、試作業務に欠かせないCAD/CAEソフト開発のプロジェクトに参加したり、と果敢に挑戦する考えだ。

提案型の試作メーカー目指す

「できないとあきらめたら何も残らない。結果的にできなくてもトライすれば技術が蓄積され、次に生きる」(中村社長)。例えば2輪車のフレームのメーンパイプに使われるテーパ管。芯(しん)金が入っており、曲げるのは至難の業だが、同社はオリジナルの型でこれを克服した。「難しい仕事を受けた時は四六時中そのことばかり考えている。モノづくりは本当に奥が深く楽しい」(同)という。

ホンダ発祥の地で、「オートバイのふるさと」と言われる浜松市に本社を置く。しかしホンダが浜松製作所の2輪車生産の九州移管を決めるなど"聖地"は存亡の危機にある。こうした国内の地域間競争のみならず、中国やインドなど新興勢力が世界の工場として猛烈に追い上げる。「立ち止まればすぐに追いつかれる」(同)と強い危機感を持つ。

だからこそ、中村板金にしかできない技術にこだわる。「これまでは顧客から仕事をもらっていたが、今後は提案できる企業を目指したい」(同)と次の成長路線を描く。一方で、仕事量が増えた今も「声をかけていただいた仕事は絶対に断らない」(同)とも。その謙虚さと、モノづくりへの真摯(しんし)な姿勢は、かつてのビニールハウス事務所を脱しても何ら変わることはない。

新材料加工、燃料電池車関連で技術力に厚みを

顧客の立場に立った製法や周辺技術も含む総合技術を提案できる試作を目指す。「金型レス」「不良をつくらない生産ライン」など斬新な発想で、困難なテーマに果敢に取り組み、顧客の生産現場の改革に貢献する。6軸レーザー加工機を核に、独自の生産技術を蓄積する。2輪車中心から4輪車向けにも事業を広げている。今後はCAD/CAEの活用により、メーカーの開発の一部を担う構えだ。また新材料加工や燃料電池車関連など次世代技術の試作にも力が入っている。


掲載日:2006年11月 9日

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