本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > ものづくりの原点

ものづくりの原点


第1回

フッ素樹脂加工で幅広い市場を開拓 [吉田SKT]

吉田由孝社長

吉田由孝社長

ウェブサイトへ

ニーズをとらえ独自技術を開発

吉田SKT(名古屋市西区、吉田由孝社長、052-524-5211)は、フッ素樹脂コーティング加工が主力だ。当初は菓子用金型の離型性を高めるのが目的だったが、1968年に米デュポンとフッ素樹脂「テフロン」を工業製品にコーティング加工する指定工場の契約を結んだ。これをきっかけにフッ素樹脂加工の独自技術を開発し、金型やスライド部品など工業製品への適用範囲を広げてきた。

フッ素樹脂加工は低摩擦性と滑り性を持ち合わせている。ただ金属で削ると簡単に削り取られてしまうという難点もあった。そこで吉田由孝社長はセラミックスのアルミナチタニアコーティング膜に、フッ素樹脂を含浸させることにより金属と接触しても削れない加工技術を開発した。

同技術はエスカレーターのステップガードとステップのすき間に足を挟む事故の防止用として採用されるなど、市場で評価を高めた。その後も各種金属、セラミックスとフッ素樹脂の複合表面処理加工の新技術「バイコート」を事業化した。

フッ素樹脂は耐薬品性、耐防食性にも優れ、化学プラントの部材などにコーティングされている。ただ化学プラントではガス状の低分子が、高分子であるコーティング膜のすき間を通り抜け、液状化してたまる。これが膨張してコーティング膜の破れやはがれの原因となる。

膜が破れたりするとプラント部材の鉄やステンレスは腐食性の強い薬液にさらされ、腐食や破損を起こす。顧客はこうした問題の解決に向け、コーティング膜の長寿命化を求めていた。

このため同社はシリカ系無機物を浸透防止剤に用いたり、密着力の高いコーティング手法を用いたりして、割れやはがれに強く、耐久性を高めた新しいフッ素樹脂コーティング加工「MY(マイ)システム」を開発。使用条件などによって異なるが、従来品の数倍から数十倍以上まで寿命が延びるという。

マイシステムは膜厚0・8ミリメートル未満の「MY(マイ)コーティング」と、同0・8ミリメートル以上の「MY(マイ)ライニング」の2系統がある。マイコーティングはマイシステムの最低限の機能を求める顧客向けだ。一方、マイライニングは膜を厚く、より長寿命で耐摩耗性に優れており、高い機能向上を求める顧客を対象としている。ニーズにきめ細かく対応できるように工夫して需要を掘り起こした。

海外にも技術を広める

吉田社長は「グローバルな視点での産業活動が必要」との認識を持っている。つまり「日本に残す技術と、世界に広める技術を取捨選択すべきだ」(吉田社長)という考えだ。だから海外での事業展開を目指して、世界の情報収集に努めている。

マイシステムではフッ素樹脂加工業者であるドイツのアデルヘルム(シュツットガルト市)と、台湾の上品綜合工業股彬有限公司(台北市)と技術提携した。マイシステムの加工技術とコーティング材料を2社に供与し、化学プラント向けなどで欧州、アジアでの市場開拓を目指す。

また現在、フッ素樹脂以外の樹脂によるコーティング加工技術の開発に取り組んでいる。06年末までに技術を確立する計画で、樹脂コーティングの新たな市場の開拓を目指す。

技術向上へ、あきらめずに挑戦

吉田SKTの経営理念は「お客さま第一主義」。どんな難題に対しても最初から「できない」と言わず、全社で知恵を振り打開策を見いだす。エスカレーター向けのコーティング技術の開発ではエスカレーターメーカーから無理難題を突きつけられた。当時はまだフッ素樹脂加工が日本で普及しておらず、相談相手もない中で、難題を乗り越えたことが独自技術の開発につながった。吉田社長は「どんな難題も挑戦し続ける忍耐が必要。それが打開策のアイデアを生み出す」と強調する。


掲載日:2006年10月19日

次の記事

加工愛知県製造業金型


このページの先頭へ