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創業者・中小企業ベンダーのためのソフトウェア・ジャストインタイム


勝つために何から始めるか

4. 成長軌道に乗せる

最後に、Part4-2「勝つか負けるか 〜成長へのコミットメント〜」に基づいて、前説「勝つための仕組みづくり」を進めながら成長軌道に乗せることを検討する。マネジメントの腕がもっとも問われる局面である。このため、自社の付加価値そのものであるソフトウェア製品が購買市場のどこに分類されているかを常に注意しなければならない。図4-5は、購買者の分布を示したものである。

購買者の分布図4-5 購買者の分布

購買者から見て、ソフトウェア製品に新規性があれば、上図の革新者・先駆者を対象にし、また市場にある程度浸透したのであれば実利的な購買層を対象にしている。通常、QCDにすぐれたソフトウェア製品でもそれだけで売れることはない。マーケティング力や販売力に欠けるからである。

戦略製品と位置づけられていない新しいソフトウェア製品には、通常、限られた経営資源しか割り当てられない。なぜなら、まだ十分な売上や利益を確保していないため、追加で大量の経営資源を投入させるほどの理由も、必要な資源もないからである。

もし逆に、間違って戦略製品と位置づけて、経営資源を投入したわりに成果がなければ組織は消滅しかねない。限られた製品しかない多くのソフトウェアビジネスはここで消えている(図4-6)。

製品のライフサイクル図4-6 製品のライフサイクル

このため、自社製品と購買者をうまくマッチさせることが欠かせない。新しい製品は、上図の革新者や先駆者が購入する。要求もこれらの需要(購買)者にフォーカスし、徐々により多くの購買層に移動するように検討・工夫しなければならない。このミスマッチが起きると、導入期から抜け出ることはない。

もし自社が複数製品ですでに市場に地歩を確立していれば、製品のポートフォリオを考慮する必要がある(図4-7)。市場の成長率とシェアに基づいて、自社の製品を図の4つに分類し、新製品の機能や投入時期を最適化しなければならない。

製品のポートフォリオ図4-7 製品のポートフォリオ

これらはいずれも自社製品がどのような付加価値を示すかを、市場/購買者の立場から評価することから考えることが必要である。付加価値の認められるソフトウェアプロダクトが数々見出されたとしても、ソフトウェアのものづくりではこれらの製品それぞれの開発に同じようにコストをかける必要はない。

これまでの優れたソフトウェア部品や資産を活かすことで、新製品開発にかかるコストは大いに異なる(大幅に削減できる)。これは、欧米で一般的に実践されているソフトウェアビジネス戦略の「ソフトウェアプロダクトライン」である。

我が国のソフトウェアものづくりは、製品においても、ものづくりや人づくりの仕組みにおいても、欧米の戦略をしのぐものでなければならない。どのような特徴を示すものであろうか。結果的に、ソフトウェア技術者の創造性を高め、ソフトウェア製品のエンジニアリングも、製品を組み立てるプロセスも極端にムダのないものになっているであろう。そこに、我々の勝機も大いにあると思われる。

我が国が強いとされる「ものづくり」に、ソフトウェアの占める比重が増大していることは前述した。現状のソフトウェア開発はコスト削減余力に乏しいだけでなく、品質確保の側面でも大きな問題を抱えている。つまり、強いものづくりにソフトウェアが増えれば増えるほど、弱くならざるをえない状況である。

また、業務システムの求めるソフトウェアでも、ハードウェアと一体になったシステムづくりの必要性が高まり、単なるソフトウェアシステムの開発から抜け出た、高機能で多様なソリューションが求められている。ソフトウェアはますます肥大化し、ソフトウェアの開発・提供・保守に困難をもたらすことは容易に想像できるといえる。

つまり、これらの21世紀型のソフトウェア/システム需要には、高機能・高信頼性・高品質・低コスト・短納期、そして高い生産性を達成した供給者体制を確保することが必要ということである。

欧米では、マネジメントと技術者が一体になったソフトウェア開発のパラダイムシフトが地道に進んでいて成果を収めている。もしこれに対抗可能な有効な手立てがなければ、徐々に我が国の強い「ものづくり」力も衰退していかざるをえない。なぜなら、この革新の核となる人の確保・育成が困難であるためだ。

本稿は、読者とこの懸念を共有することを目的に記している。できるだけ多くの方々と、この問題を共有することが大切だと考えている。もし本稿を読んでいる方がマネジメントでなければ、本稿を複製してマネジメントの方に差し上げてもらいたい。

我々は、ハードウェア・ソフトウェア一体のものづくりの現実を直視し、未来へ展望のある「ソフトウェアものづくり」を実践し、ソフトウェアの開発・提供・保守(ソフトウェアビジネスサイクル)にもっとパワーをつける必要があるといえるだろ。そして、着実な成果につなぐ必要がある。

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