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創業者・中小企業ベンダーのためのソフトウェア・ジャストインタイム


実施すべき戦略を策定する

7. 成長のレバレッジ

自社の繁栄・発展を望む者は多い。しかし、いくら成長を望んでも、自社の目標は何か、また目標にどのように到達するかを自社の目線で具体的に描き、実際に活動しなければ、目標に到達することはない。まず、自社の成長の可能性をすごろく方式で探ってみる。

読者は、図3-11(1)自社(自己)の現在位置」にいる。まず、成長への意欲があるかを自身に尋ねてみよう。もし現状維持を望んでいるとすれば、あえて苦難の道に飛び出す必要はない。もし現状維持をすることによって、自社の存続が危くなると感じているようであれば、(2)に進むことができる。

成長のレバレッジ(その1)図3-11 成長のレバレッジ(その1)

(2)自社の現状を分析・評価する活動がある」では、ソフトウェアビジネスに関わるその活動を具体的に書き出してみよう。小さなものから大きな活動まで、いくつでもよい。また、個人レベルのものからプロジェクト〜組織レベルまで様々な活動があることが望まれる。何もなければ、自社は「成り行きまかせ」である。

(3)SWOT分析」の「強み・弱み」は、自分の内部を、また「機会・脅威」は自分の外部を分析した結果である。そして、「弱み」は自助努力によって「強み」に変え、「強み」をさらに強化するにはどうすればよいか、また「脅威」を減少あるいは回避し、「機会」を活かし、さらに機会を増大・実現するにはどうすればよいかを検討する。その結果を(4)以降で使用しよう。

(3)SWOT分析」 の結果、「(4)脅威や弱みが致命的でない」か、を確認する。自社の経営体質がすでに回復できないほどに衰弱して赤字体質になっているのであれば、もはや時間がない。経営資源の選択と集中の生き残り戦略を早期に実施し、経営を立て直さなければならないであろう。

(5)自社の強みが明確である」とすれば、それがどのように現れているのか(もしくは、現れるのか)、をハッキリさせる必要がある。現在、強みが「Cash Cows(金のなる木」であれば、それは現在の強みであり、もし「問題児」であれば将来の強みである。強みが明確でなければ、顧客あるいは市場から見える自社はたぶん希薄な存在であろう。

(6)強みを成果に変えることができる」とすれば、能動的な経営姿勢があるであろう。市場あるいは顧客に働きかけ、成果を生むシナリオや、目標の設定や成果の測定、そして実践上の役割・責任の体制が明確であろうか。このシナリオの実践過程の進度やリスクをどのように確認するのであろうか。成果につながっていれば、図3-12に進む。

成長のレバレッジ(その2)図3-12 成長のレバレッジ(その2)

この成果を生むことを、「(7)マネジメントがコミットし、リーダーシップを発揮している」であろうか(Part3-2「マネジメントのリーダーシップ」参照)。あるいは、マネジメントは部下や外部環境にまかせ、結果を待っているだけであろうか。もしリーダシップのあるマネジメントが不在であれば、もはやたいした結果は期待できない。組織に市場価値がある間に対処すべきである。

(8)(半期・四半期)期別の達成目標が(定量的に)明確である」とすれば、日々の活動も定量的で明確になっている可能性がある。期待が持てる。もしハッキリしていなければ、組織は空回りするであろう。最悪の場合、(2)に戻る。

(9)実現の方策(戦略)が現実的である」。(8)の目標の達成方法が明確で、しかも現実的であれば、定量的な目標に着実に近くなるであろう。その経緯をいつも点検しなければならない。もしちぐはぐな結果が散見されれば、組織はかなりのムダを生み出しているであろう。

(8)の定量的目標が明確で、しかも(9)で達成方法が明確かつ現実的でも、目標自体が「(10)競合他社に比べ高い目標である」といえなければ、自社は客観的に大したことを実践していないであろう。製品・品質・リードタイム・コスト・生産性等の指標で、他社をしのぐことを検討すべきである。

そして、組織の本気度が問われる。すなわち、「(11)目標と戦略が社内に浸透している」とすれば、組織は「打てば響く」ほどに、いきいきした表情を示すことであろう。

浸透したにも関わらず、不用意なミーティングや緊急な活動が多いとすれば、まだ何かが足りない可能性がある。「(12)戦略を実践する役割と責任が全社的に行き渡っている」とすれば、活動自体もキビキビしていることであろう。

しかも、「(13)戦略を実践し成果を測定している」とすれば、日常活動の反省点も明らかであろう。あいまいさのない改善が円滑に実施され、成果の向上につながるに違いないであろう。

実際に、 「(14)成果を公表し貢献に報いている」とすれば、報奨された社員はさらに意欲を出し組織に貢献しようと思うであろう。また、今回報奨されなかった社員も身近な成果と報奨を見て、学ぶことも ・気づきを得ることもできるであろう。

しかも、国内だけでなくグローバルな「(15)競合他社に比べ伸びが速い」とすれば、成長が軌道に乗り始めていると感じられる。逆に、ここまで実践してなお、競合他社がそれ以上の達成をしていれば自社の努力は虚しいものとなってしまう。自社の経営成果が競合他社に劣るのであれば、その原因をとことん追究し自社の弱点をハッキリさせ対策を講じることが必要である。

そして、「(16)成果を将来に再投資している」とすれば、さらに強固な基盤を形成しているといえよう。しかも、その投資が「(17)人の育成と仕組みの効果が成果に現れている」とすれば、ビジネスが果てしないチャレンジであるとしても、このすごろくの目標もいったん達成したといえよう。

Part3のねらいは、ソフトウェアビジネス再構築のオプションをいくつか示すことであった。まとめとして、どのオプションでも必要不可欠な「見える化」を取り上げよう。

「見える化」することによって、様々なメリットを享受できる。その最大の効果は、意思疎通が正確かつ迅速になることである。開発プロジェクトには、多人数が投入されているが、ほとんどプロジェクトで電子メールをコミュニケーションの手段に使用している。電子メールは迅速なメッセージの送信手段に違いない。しかし、ソフトウェアビジネスでの使い方を誤ると、電子メールすらさらにムダを生んでしまう。

実際のプロジェクトで、1人の技術者に1日に何百通もののメールが来る状態を想像してみよう。技術者が、今日じゅうに対処が必要なメールを探し出すだけでもかなりの時間を消費する。それも全員がこのムダな作業をすることを想像すれば、電子メールが愚かしいツールであることがわかる。すべて非生産的でムダな時間である。目に見えないプロセスをみずからいっそう見えないものにする。

ソフトウェア開発を「見える化」することによって、これらの弊害を無くすことができる(図3-13)。これを、要求エンジニアリングに及ぼせば、さらに効果が増えることが容易に想像できる。マネジメントのリーダーシップのもと、実践的な解決を目指した、早期の取り組みで改革に動き出すことが肝要である。

ソフトウェア開発の見える化図3-13 ソフトウェア開発の見える化

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