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創業者・中小企業ベンダーのためのソフトウェア・ジャストインタイム


根本原因が何かを突きとめる

3. 人材の確保と育成

ソフトウェア開発に一部自動化可能な部分があるとはいえ、今日なお「人力」による開発が中心である。

したがって、開発能力を増強するには、

  1. 人の数だけを増やす
  2. 人の能力を強化する(1人当たりの生産性を高める)のいずれか
  3. 両方(実際には、多くの組織はこれを選択している)

2には、低コストの人件費の技術者を当てることにより擬似的に生産性を高める場合と、純粋に能力を高め生産性を向上させる場合がある。

ソフトウェアビジネスの置かれている状況によって採用すべき方法は異なるが、ビジネスのベースが工数であれば1を採用することが賢明である。

他方、品質の優れた・競争力/魅力ある・コストの安い・納期の短いソフトウェア製品を開発・提供することにビジネスのベースであれば、2を採用せざるをえない。また、1では人の「数」の確保を主眼にする。2は人の育成に重点を置く。自社はどちらに注力しているか。すなわち、組織の人材(人財)戦略はどのようなものか。

自社は、このような状況に有効な方策を打っているであろうか。すなわち、21世紀のソフトウェアビジネスに必要な組織戦略である。また、成果につながる堅実な見通しをもっているであろうか。有効な方策は、少なくともソフトウェア技術者の生産性を大幅に向上させることにはっきりと道筋を示すものでなければならない。

ソフトウェアの開発は、製造業における量産性能を求めるものではない。むしろアイデア・論理に優れ、しかも欠陥のない高品質なものであることが必要である。

ソフトウェア技術者の優れた成果を製造業の機械の加工数にたとえることはできないが、あえてたとえるとすれば、前工程から受けた材料から、高度に合成加工した多品種・少量(一品のみ)の良品を大量に生産する柔軟性に富んだ生産設備である。

しかも、技術者の能力は拡大する。図2-4「眠っている「人」の能力」に示すように、人にはまだ発揮されていない「眠っている能力(したがって捨てている能力)」がある。

この能力は、本人の意欲・学習・経験、そして仕事の環境や育成のあり方によってどんどん変化し増大する。また、組織が人の能力や貢献を認めることによって、さらに向上する。つまり、人と組織それぞれの期待・仕事の組立て・貢献や報奨のあり方によって、結果も大いに異なったものになるのである。

眠っている「人」の能力図2-4 眠っている「人」の能力

Part1の冒頭で21世紀は高品質・低コストのソフトウェアを大量に必要とする時代である述べた。そのソフトウェアはだれが供給するのか。もちろん、我々である。しかし、我が国の人口はすでに減少の一途をたどり始めている。もはや、十分な人材を数で確保できない時代に突入している。もし人の数にのみ着目したビジネスであれば、国内に留まるべきではない。

つまり、ソフトウェアをこれまでの低い生産性で供給する方法を国内の技術者のみで実行するビジネスは、すでに破綻しているのである。つまり、「ソフトウェアビジネスに革新が求められている」のである。

さてこれまでに、現在のソフトウェアビジネスのあり方が、エンジニアリングの側面でも、技術者の確保・育成の側面でも課題が山積していると気づかれたことであろう。どうすればよいのであろうか。

人の育成という課題に真正面から向き合わなければならない。ソフトウェアビジネスでは、人材育成はビジネスの核である。ビジネスの核を間接部門の活動に留めていないだろうか。

競争力のある人材を持続して確保することに戦略的な道筋をつけることは、直接部門の仕事である。自社の人材育成を、どんな意味でも「人まかせ」や「標準」的な人材像として描いているとすれば、自社ビジネスの核も「人まかせ」であることを証明することになりかねない。

自社の核となるソフトウェア開発を支える戦略が必要であろう。すなわち、ビジネスが必要とする人材モデルに基づいた人材確保・育成が不可欠であろう。優れた人の確保・育成には時間がかかる。着実に優れた人を生み出さなければならない。だとすれば、ソフトウェアビジネスプロセスに、人を育成するメカニズムをビルトインし、ソフトウェアの高品質・短納期を実現し、しかも人も育つ統合された仕組みが必要といえよう。

欧米では、この人材育成モデルが公のものとなっている。CMM(能力成熟度モデル)の人材育成版のPeople CMMである。前述したBRIC、とりわけインドのソフトウェアビジネスではCMM(あるいはCMMI)で最も高いレベル5を達成したばかりではない。この人材育成モデルであるPeople CMMでも、レベル5を達成している組織が多い。

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