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ものづくりの森


技術の森

古着の綿繊維からバイオエタノールを生産する技術

古着の綿繊維からバイオエタノールを生産する工場が愛媛県今治市で稼働している。この生産技術を開発したのは日本環境設計。綿繊維由来のエタノール工場としては世界でも例が少ない。

トウモロコシがなるのなら綿だってエタノール原料になるだろう

繊維製品のリサイクル率はせいぜい10~20%と低く、そのほとんどは焼却処分されている。企業ユニフォームのリサイクルを手がけていた日本環境設計は、一般衣料品にもリサイクルを広げられないかと考えたが、その場合、綿製品の扱いが最大の課題となる。綿製品のリサイクルはその大半が雑巾かフェルトで、市場性に乏しいのがネックだった。そこで市場性のあるリサイクル方法はないかと検討を進めた結果、たどりついたのがエタノールへのリサイクルだった。

2007年のある日、同社の岩元美智彦社長が新聞記事を示して言った。「アメリカでトウモロコシを原料としたバイオエタノールの生産が進んでいる。トウモロコシが原料になるのなら綿繊維だってなるだろう」  綿繊維の95%はセルロース。セルロースはグルコース(ブドウ糖)の重合体なので、セルロースを酵素で分解してグルコースにし、それを発酵させればエタノールが得られるはず、という発想だった。

最初はトントン拍子だったが、その後に試行錯誤が続く

ベンチャービジネス関連の産学連携を推進していた大阪大学の教授にさっそく話を持ち込み、博士研究員を紹介されて同大学との共同研究が始まった。高尾正樹専務は説明する。  「衣料品店で綿のシャツを買ってきて2gほど切り取り、試験管の緩衝溶液の中にその綿片を入れ、しばらく振っていると溶け出した。測定装置でそれを計ってみるとちゃんと糖が出来ており、それを発酵させたら見事にエタノールが得られた」

研究を開始してから要した時間はわずか2~3カ月。ここまではトントン拍子だったが、このあと試行錯誤が続く。酵素の価格が高く、エタノール1リットル当たりの生産コストが1万円以上にもなって、とても採算ラインには乗らない。世の中に何万もの種類が開発されている酵素の中からめぼしいものを選び出し、最も効率のよい糖化機能をもった酵素の探索を続けた。

開発から3年、ついにバイオエタノール工場を稼働

開発にかかった期間は3年余。2010年6月、タオルの生産地として知られる今治市の繊維加工工場内に綿繊維由来のバイオエタノール工場を稼働させた。工場は現在、5700リットル糖化槽、6000リットル発酵槽からなる。年間約50tの綿繊維を原料に、同20キロリットルのエタノールを生産、地元の染色工場にボイラー燃料として供給している。 化学繊維、ボタン、ファスナーなどはその他残渣として取り出され、協力企業との連携により資源にリサイクルされている。

原料となる繊維製品の確保にあたっては、エタノール生産開始と同時期に「FUKU-FUKUプロジェクト」をスタート。環境意識の高い11社(アミナコレクション、アメリカ屋、イオンリテール、エドウィン、パタゴニア日本支社、フレックスジャパン、丸井グループ、丸中、無印良品、メーカーズシャツ鎌倉、らでぃしゅぼーや)がこれに参画、消費者が使わなくなった繊維製品を回収し供給している。  ベンチャーが切り拓いた使われなくなった繊維製品由来のバイオエタノール生産は順調に歩を進めているようだ。

データ

会社名 日本環境設計株式会社
所在地 東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル2F
電話 03-6273-3218

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