本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > ものづくりの森

ものづくりの森


技術の森

使用済み紙おむつを固形燃料に変える技術

使用済みの紙おむつを燃料に変える画期的な技術がある。ベンチャー企業のスーパー・フェイズが開発した使用済み紙おむつ処理システム「SFDシステム」だ。

現在、使用済み紙おむつ(以下、紙おむつ)の処理は焼却が主体だが、水分を多く吸収しているため、焼却炉に入れると炉内の温度を下げてしまい、焼却炉を燃えにくい状態にしてしまう。そのため紙おむつの焼却では、炉に重油を投入して焼却温度を上げる必要があるが、一方で焼却温度を上げると焼却炉を傷めてしまうというデメリットが生じてしまう。
 その結果、焼却炉を所有する自治体などは、高温処理が原因で焼却炉を傷め、かつ重油の価格高騰で財政負担を増すなどのリスクを抱えており、さらに焼却による二酸化炭素削減へのマイナス効果という環境問題にも悩まされている。

また、紙おむつの処理は焼却問題のほかに、病院や老人・介護ホームなどにおける院内感染の原因の1つとして悩みのタネにもなっている。なぜなら、それらの施設で紙おむつの処理中に人がウイルスに接触してしまえば、施設内にウイルスが感染してしまうリスクがあるからだ。

そこで上述のような焼却問題、院内感染問題をクリアするため考案されたのがSFDシステムだ。紙おむつはビニール袋に入れたまま処理することで感染リスクを低減させ、さらに焼却以外の方法で処理することでバイマスボイラーの固形燃料としてリサイクルさせる。それがSFDシステムだ。

使用済み紙おむつ処理システム「SFDシステム」

使用済み紙おむつ処理システム「SFDシステム」

使用済み紙おむつの処理フロー

SFDシステムの処理フローは以下のようだ。紙おむつを破砕しながら乾燥させ、さらに滅菌、脱臭して固形燃料の原料として再生させる。

破砕・乾燥工程では、紙おむつの原料は不織布などのため切断が難しいが、撹拌軸に取り付けた羽根と処理槽の固定刃によって紙おむつを破砕すると共に摩砕する。また、撹拌羽根の独自の配列と構造によって紙おむつは槽内を上下左右に移動して均一に破砕される。
 この工程では、破砕すると同時に上部からジェットノズルで180℃の温風を吹き付け、紙おむつの吸水材に含まれる水分を乾燥させる。さらに、し尿などが付着した紙おむつは嫌気性の臭気(悪臭)を放つため、好気性発酵菌を投入し、短時間で好気性発酵に切り替え、発生臭気を最小限に抑えている。その臭気は排気管を経て脱臭機に送られ、270℃の温度域で白金触媒により臭気をほぼ分解除去される。
 この破砕・乾燥を経て最後に90℃(2時間)で病原菌を滅菌する。冷却後に乾燥・滅菌された燃料として成果物を排出する。
 以上の処理フローの所要時間は、16時間を要する。
 また、処理後の紙おむつは1/3に減量化でき、製紙工場等で使用される固形燃料(RPF)の原料として再利用できる。
 さらに、SFDシステムで処理した紙おむつ燃料だけでも5000kcal/kg以上の固形燃料に成形が可能で、これは小型のバイオマスボイラー等で木質ペレット(3500~4000kcal/kg)の代替として活用できるので、地域内での地産地消が可能となる。

使用済み紙おむつと廃プラで生成した固形燃料

使用済み紙おむつと廃プラで生成した固形燃料

高齢化社会で懸念される使用済み紙おむつ問題のカギを握る

現在、紙おむつは年間で子供用32万トン、大人用35万トンが消費され、使用後には200万トン/年のゴミとなっている。また、今後大人用は年率7-8%で伸びると予測されるが、一方でゴミ削減が進んでいるため、結果として大人用の使用済み紙おむつの可燃ごみに占める割合が急増している。ゆえに今後の高齢化社会を考えると使用済み紙おむつの処理は切実な問題だ。
 一方、SFDシステムは2004年に開発が始まり、翌2005年には1号機を東京・町田市の病院に納入。現在までに4台が稼働しているが、今後、増え続ける使用済み紙おむつへの対策として1つの有効なカギとなるだろう。

データ

会社名 株式会社スーパー・フェイズ
所在地 本社:鳥取県米子市中町123番地 暁ビル3階
東京支社:東京都豊島区北大塚2-10-10 岡部第一ビル502
電話 本社:0859-33-0771
東京支社:03-6903-5991

前の記事次の記事


このページの先頭へ