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ものづくりの森


技術の森

「予測管理」を確立し、生産工程を48時間無人化

品質の安定、低コスト、短納期―。加工・組み立てを請け負う中小企業への顧客の要望は厳しさを増す一方だ。中小企業を鍛えてくれていると逆説的に言えなくはないが、従来の手法では限界が見えている。コスト削減のために海外生産をすると「ものづくり技術の海外流出」が懸念される。海外に持って行けない、持って行かない技術とはどのようなものだろうか。精密機能部品の加工・組み立て企業である葵機工は、こうした課題を乗り越えるために長年、蓄積した製造技術をデータベース化し、科学的な「予測管理技術」を生み出した。

不具合を事前に予測

予測管理技術で作られた製品

予測管理技術で作られた製品

「予測管理技術」とは不具合になる要素を事前に予測し、未然に防ぐよう対処することだ。たとえば部品加工では切りくずが出て刃物が摩耗する。この時に刃先の摩耗具合、材料、形状、加工工程、切粉形状、切削油のかかり方によるバリの出方、刃のセット状態、刃物の寿命、刃物の回転数、送り速度、出来栄えを管理シートに記載しておく。これを検証し、最適な条件を確定する。

製造過程で不良品が出なかった場合でも「前回の加工時と刃物の摩耗状態が違っていれば、何か異常があったのではないか考えて条件を検証した」と松尾志郎会長は言う。さらに納期に間に合わせるために刃物を複数個取りつけた場合の摩耗の状況などイレギュラーなケースも含めた試行錯誤を繰り返し、予測管理技術を確立した。

最も難しい課題は「刃物の適正摩耗と限界摩耗の境を判断することだった」(松尾会長)という。つまり刃物の寿命をどこまで延長するかを決めることだ。長年の技術の蓄積、改善・改良データに照らし合わせ、刃先の形状等を詳細に分析することで最適値を割り出した。同社はこれを駆使し、約3マイクロメートルでバリとされる加工で、バリを出さない技術を完成した。

人が変わっても品質は変わらない

葵機工・松尾志郎会長

葵機工・松尾志郎会長

開発の基本にある考え方は「決められたことを守る技術」(同)だ。科学的な予測管理技術を社員全員が共有することによって「匠の技、この人でなければ出来ないといったことはなく、人が変わっても品質が変わらないことを立証した」(同)という。

この技術を応用すれば生産工程の無人化が可能になる。限られた納期、予算、要求量、品質に応えるためにも無人操業は不可欠というのが当初からの考えだった。葵機工は実際に管理シートによって過去の加工条件や実証データを分析、24時間と48時間の完全無人操業に成功した。もし改善点が出た場合でも予測管理技術のシステムにデータが蓄積され、社員全員で解決手法を共有できる。標準化シートという形で生産工程を「見える化」する手法も確立した。

同社が予測管理技術の必要性を認識したのは15年前だという。現在の成果は、試行錯誤と改良の繰り返しの上に成り立っている。部品の納入先である自動車メーカーは当初、人命を預かる自動車の部品を夜間、無人で製造することに疑問を持っていたという。
 しかし「不良品は今まで出ていない」(同)と同社は胸を張る。工程が見える化されれば、製品は結果的に良品と評価されるだけでなく、製造過程の段階から品質を保証される。

葵機工がいま取り組んでいる新たなテーマは、予測管理技術による多品種少量生産の48時間無人化だという。

データ

会社名 葵機工株式会社
所在地 香川県高松市朝日町3丁目7番5号
電話 087-822-5025

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