本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > ものづくりの森

ものづくりの森


伝統の森

化粧筆の毛先は切らずに整える

化粧筆の毛先は切らずに整える
高本和男社長

高本和男社長

白鳳堂が本社を構える広島市熊野町は、約170年前の江戸時代から筆づくりの町として賑わいを見せていた。化粧筆の最盛期は1980年代後半で、「販売総額は40億円弱。その後、中国や韓国などの安価な製品に押されつつも、いまもその販売総額は、同程度で推移している」(熊野筆事業協同組合)という。

白鳳堂の設立は1974年。歴史のある業界の中では、新参者の部類に入る同社が一躍、世界にその名を轟かせるまでに成長したのは、「高品質製品の量産化」に成功したことにある。

柔軟な発想がカギ

化粧筆はおおむね図1のような工程で生産される。

図1

図1

量産化するには生産工程の機械化か、工程を省略して生産能力を上げるという手段が有効となる。しかし、白鳳堂の高本和男社長は、そのいずれも選択をしなかった。「50年代に化粧ブラシなどの需要増に対応するため、工程を省き生産するようになると、粗悪品が市場に出回るようになった。これでは、日本の伝統工芸がだめになる」とその理由を語った。

化粧筆に限らず筆の品質は、先端の「穂首」と呼ばれる部位の出来によるところが大きい。熊野筆は、一本一本手づくりで丹念に製造されてきたからこそ、独特の筆感が受け継がれ、ユーザーに愛されてきた。本来なら大量生産に馴染まないものだ。

高品質な製品の大量生産化という難題に対して、高本社長が出した答えが「生産工程の細分化」と「最小限度の機械化と道具化」だった。通常の筆づくりが7-8工程のところを、同社では80工程まで分割した。細かく分けて1人の人が携わる工程を少なくしたことで、その人独特の「クセ」が最終製品に与える影響を最小限にとどめた。これにより、品質の均一化という問題をクリアした。また、1つの工程だけを繰り返し作業させることで、短期間に精度の向上を図ることができた。加えて、慣れるスピードが速まることで作業時間を短縮することにもつながった。逆転の発想だった。

また、成功の裏にはすべての工程を手作業にこだわらず、最終製品の品質に影響を与えない工程は機械に任せるという高本社長の柔軟な発想があった。例えば、毛先を揃える工程はバイブレーターを使い自動化した。「以前は手作業で揃えていた。機械でも問題のないところは、機械に任せる。手作業と機械化を上手にブレンドし効率化することが、高品質製品を安定的に量産する上で重要となる」(高本光取締役)という。

整穂と呼ばれる化粧筆の毛先を丸くアーチ状に整える工程では、毛先を切るのではなく、円筒状の木の内側に螺旋状の溝を一定間隔で形成した道具(型)を使用する。これにより、作業員が同じ筒状の型を使うことで均一の形に仕上げることができる。

こだわりは捨てない

高品質製品の量産化に成功した化粧筆

高品質製品の量産化に成功した化粧筆

ただ、機械化できないところは、徹底的とも言えるこだわりをみせる。穂首から不良な毛を選別する工程は、キューティクルの悪い毛だけをカミソリを使い引っ掛けて、一本一本取り除く気の遠くなる作業を行っている。「最終的には、3-5割程度の毛が捨てられる」(高本社長)という。

時代とともに化粧品や化粧の仕方は変ってくる。「いくら技術を磨いても、これでいいとは思うことはない」(高本社長)。これからも白鳳堂の挑戦は続く。

データ

会社名 株式会社 白鳳堂
所在地 広島県安芸郡熊野町城之堀7-10-9
電話 082-854-1425

前の記事次の記事


このページの先頭へ