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HOME > 製品・技術を開発する > 飲食品でヒット商品をつくる

飲食品でヒット商品をつくる


特別企画

使い勝手のいいパッケージ(1)

ハウス食品のねりスパイス

ねりスパイス

最後のひと絞りまで無理なく出せる。ねりわさびやからしが入ったチューブが使いやすくなった。

これまでのチューブでは出口付近が少し硬かったために、指で押しても中身がわずかにチューブの中に残ってしまった。それを指でつまんですっと押し出せるようにした。


2010年8月にハウス食品が発売した「ねりスパイスシリーズ」のチューブがそれだ。

リブと溝が決め手

従来のチューブでは、ねりスパイスを使い切る際、吐出部(ねじ山が刻まれた円柱状のノズル)付近にわずかに中身が残っていた。チューブの吐出部がやや堅いため、指の圧力だけではすべての中身を吐出できなかったからだ。

それを改善したのがハウス食品のねりスパイスシリーズのチューブだ。チューブを押しても残量感がほとんどないまで中身を絞り出せる。その秘密が、チューブの吐出部に施されたユニークな改良にある。

図のように、改良チューブの肩の部分(吐出口付近の胴周)にリブ(凹凸)が施されている。このリブによってチューブの肩部が折り曲がりやすくなり、従来はこの肩部あたりに残留していた中身が吐出部から出やすくなった。

図 「ねりスパイスシリーズ」のチューブ、アルミシール、外箱(カルトン)の改良のポイント

図 「ねりスパイスシリーズ」のチューブ、アルミシール、外箱(カルトン)の改良のポイント

また、ノズルはキャップを嵌めるための雄ねじになっているが、同時にそのねじ山はノズルに一定程度の強度を与えるため、従来のチューブではノズルを指でつまんで残った中身を押し出すのは至難の業だった。

そこで新しいチューブには、ノズルのねじ山に直角に交わる4本の溝を入れた。それによりねじ山の強度を少し下げ、指先のわずかな力でもノズルが潰れやすくし、中身を容易に絞り出せるようにした。


「ねりスパイスの容量は40g前後ですが、従来のチューブでは使い終わる際にどうしても3~4gの中身がチューブに残ってしまいました。チューブを開発する立場としては、できるだけ残量を少なくできる容器の開発を目指しています。今回開発した新しいチューブでは、残量を1g以下まで下げることを可能にしました。1gあれば、いままでよりも1回分多く 使えます。チューブの中身の残量も少なく使いきれるという満足感、達成感をお客さまに味わっていただきたいのです」

チューブ開発を指揮した容器包装開発部次長の大塚淳弘さんは満面の笑みだ。わずか1gと侮ることなかれ。残量を少なくすることは資源の節約にもつながっていくのだ。

ユニバーサルデザインとエコ

チューブの改良に併せてノズル先端のアルミ蓋の形状も変えた。従来よりもアルミ蓋をやや大きくし、指でつまみやすいように三角形にした。その目的はユニバーサルデザインにあり、指でつまむ力の弱くなった高齢者でもはがしやすくするための改良だった。

また、外箱(カートン)も省資源のために奥行を薄くした。従来の外箱に比べて奥行の寸法を3mm縮小することで、外箱の容積効率を10%向上させ、年間の紙使用量を約24t削減できるという(ハウス食品試算)。地球にやさしいエコ商品といったところか。


同社がねりスパイスのチューブの改良に取り組み始めたのは08年の秋に遡る。当時、ねりスパイスシリーズの消費者調査を実施した結果、辛さには十分満足しているものの、香りや風味、しょう油への溶けやすさに対する満足度は十分でなかった。さらに、「容器からの絞り出しやすさ」についてもさらに改良を求める声があった。この消費者調査結果に応えるべく中身の改良をするに併せ、チューブの改良にも着手することになった。同社ではこれまで継続的にチューブの改良を続けてきたが(写真)、さらに使い勝手のよいチューブの開発を目指した。

写真2

1973年にアルミチューブに入ったねりスパイスを発売した(写真は1974年に発売した「ねりわさび」)①
1984年にはアルミからプラスチックのチューブに替わる②
1987年、透明チューブに替えて中身が見えるようにした③
2001年にソフトチューブを開発した(写真は2010年に発売の「特選生わさび」)④

08年秋から1年半をかけて包材メーカーと共同開発を続けてきた。「包材メーカーは容器の機能や形状を元に発想しますが、私たちは製品として成り立つかという視点から発想します。それぞれの発想がぶつかり合いながらも融合した結果、今回の新しいチューブが生み出されたのです」(大塚さん)。

ねりスパイスは使用頻度からいえば調味料の中でも脇役に類する。そのため頻繁に使うドレッシングやしょう油などに比べて容器やパッケージへの消費者の関心は低くなる。が、その目立たない容器やパッケージにも、もっと使い勝手をよくしたいという開発者の思いが込められているのだ。



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