本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 製品・技術を開発する > 飲食品でヒット商品をつくる

飲食品でヒット商品をつくる


「あの人気商品はこうして開発された」
「ごっつ旨い お好み焼」―ふわっとしたお好み焼きを電子レンジでつくれたら
電子レンジを使った調理が家庭に広がってきた頃、人の手でも難しいと言われるお好み焼きの調理法を、テーブルマークは機械で実現した。発売から13年目を迎える「ごっつ旨い お好み焼」は、現在でも冷凍お好み焼き市場でトップシェアを誇る。そのロングセラーの決め手に迫った。

家庭でお好み焼きを作ってみても、飲食店のようなふわっとした口当たりにすることは難しい。生地に具材の水分が吸収され、べちゃっとした食感になってしまうことが多い。空気を含んだソフトな生地に仕上げるのは至難の業だ。人の手でも難しいふわふわ感を機械で実現しようと挑戦したのがテーブルマークだ。お好み焼きの醍醐味(だいごみ)である焼きたて感とふわふわ感を追求するために費やした時間は約1年。冷凍食品「ごっつ旨い お好み焼」は、発売から13年目を迎える現在でも「冷凍お好み焼き市場でトップシェア」(深光達耶商品本部マーケティング部主任)を誇っている。ロングセラーの決め手は、お好み焼き職人がつくる工程を忠実に再現したことと、消費者側に立った商品設計にあった。

プロの共通点を発見

「ごっつ旨い お好み焼」が発売されたのは、電子レンジが普及し、同機器を使った調理が家庭に広がってきた1999年。「簡便性のある商品がお客さまの心をつかむ時代。焼きたて感やふわっと感のあるお好み焼きを電子レンジで簡単に作れたら、お客さまからの支持を得られるはず」(深光主任)との考えがあった。
 ただ、相手にするのは、普通に作れば、べちゃっとした食感になることが当たり前のお好み焼き。ふわふわ感のヒントを探るため、開発チームは街に繰り出した。

関西を中心にお好み焼き屋を食べ歩くと、ある共通点が見つかった。発見したのは、(1)お好み焼きのプロは、一食分ずつ、焼く直前に生地と具材を混ぜていること(2)成形したり、ひっくり返したりする際のコテの使い方(3)高温短時間で一気に焼くこと。どれも何げなく眺めていると見落としてしまうような些細(ささい)なことだが、何かを探り出そうと必死な開発チームにとっては光って見えた。

職人の工程を機械で再現

ふわふわ感を実現した「ごっつ旨い お好み焼」の製造工程

ふわふわ感を実現した「ごっつ旨い お好み焼」の製造工程

開発チームは、職人の工程を再現するため、専用ラインの新設に着手した。
 具材の準備段階では、キャベツなど具材の水分が生地に混ざって水っぽくならないように、生地と具材を鉄板の上で焼く直前にミキシングするように設計。生地には、ふっくら感がさらに感じられるように山芋を配合した。また、生地に負けないような具材感を出すため、エビやイカのほかに、角切りと千切りキャベツの2種類を使い、違った食感を演出するなどの独自の工夫をしている。

具材と混ぜた生地を人が鉄板で焼くのと同じようにするため、型には入れず鉄板の上に落とし、コテを使って丸く成形するようにした。片側が焼けたら、コテ等で両端から持ち上げるようにして、ひっくり返す。

テーブルマークによると、飲食店の鉄板の温度は230-250度Cが多いという。同社の鉄板は約200度Cに設定しているが「鉄板の下からの熱と上から赤外線やガスで熱するため、飲食店と同程度の8-10分で焼き上げることができる」(深光主任)。(※焼成温度は季節や機械によって異なります。)

テーブルマークの前身となる加ト吉には「ごっつ旨い お好み焼」の前にも冷凍お好み焼き商品があった。商品名は「お好み焼 肉玉焼・いかえび玉焼」で、プライパンに乗せて焼く生タイプのものだった。

「ごっつ旨い お好み焼」を開発する時には、ここでの経験が役立った。「レンジタイプに最適な配合にするために試行錯誤したが、生タイプでの土台があったため、まったくの手探り状態ではなかった」(同)という。

頭悩ませたネーミング

関西だけでなく関東でも発売初年度から売り上げを伸ばした

関西だけでなく関東でも発売初年度から売り上げを伸ばした

従来にない食感にこだわった商品だけに、おいしさを表現するためのネーミングにも頭を悩ませた。候補にあがったのが、ストレートにおいしさを伝えられる「ごっつ」というフレーズ。ただ標準語で「すごい」を意味する「ごっつ」は関西の言葉。「全国発売する商品には似つかわしくないのではないかと疑問の声も挙がった」(深光主任)が、当時人気を博していたバラエティー番組名で「ごっつ」という言葉を使っていたため「話題性もあり面白いし、関東で『ごっつ』という言葉にマイナスイメージはない」(同)との結論に至り、商品名に「ごっつ」の冠をかぶせることにした。

1999年に発売すると、関西のご当地グルメだけに同地域での売り上げの伸長は想定内だったが、電子レンジで温めるだけで簡単に本格的なお好み焼きが食べられることが消費者の心をつかみ「温度差なく関東でも初年度から売り上げを伸ばした」(同)。

ストレス与えない商品設計

「おいしさの追求だけでなく簡便性もさらに追求した」と語る深光達耶さん

「おいしさの追求だけでなく簡便性もさらに追求した」と語る深光達耶さん

消費者を引き付けたのは味だけではない。電子レンジで温めるだけという簡便性を「さらに追求した結果」と、深光主任は分析する。
 「ごっつ旨い お好み焼」は、生地が紙トレーの上にのっているため、紙トレーを皿代わりに使用すると、食べ終わった後に使った皿を洗う必要がない。また、お好み焼きソースと、マヨネーズ、かつお節、アオサのりが一つのパックに収まっているため、購入した人は商品以外に何も用意せずに食べることができる。おいしいお好み焼きを電子レンジで簡単に食べられるというだけでは、ヒット商品とはなっても、ロングセラー商品とはならない。「おいしさの追求に加えて、お客さまにストレスをかけない商品設計にしたことが、リピーターの獲得につながった」(同)と、秘訣(ひけつ)を語った。

企業データ
テーブルマーク株式会社
代表取締役社長:日野三代春
東京都中央区築地6-4-10
掲載日:2012年12月19日


このページの先頭へ