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飲食品でヒット商品をつくる


「あの人気商品はこうして開発された」
「だしむすび」-従来とはまったく異なる発想でふりかけをつくった
2012年1月、だしをベースにしたふりかけ「だしむすび」がミツカンから発売された。だしといえば和食のベースではあるが、主役になる素材とは考えられなかった。ところが、開発者には売れるという直感があった。それも過去の経験に基づく直感が…。

「ごま」に続き「だし」を主体にしたふりかけも売れると直感した「だしむすび」開発者の和田悠さん

「ごま」に続き「だし」を主体にしたふりかけも売れると直感した「だしむすび」開発者の和田悠さん

2011年1月にミツカンが発売したふりかけ「ごまリッチ」が、発売後の1カ月で120万袋を出荷するヒット商品となった。ごまが主役のめずらしいふりかけと世間から評され、その後も販売は拡大の一途をたどり年間で1,470万袋を出荷した。

そのヒット商品の開発者がMD本部製品企画部製品企画2課の和田悠さんだが、「ごまリッチ」リリースの4カ月後には次なる新商品のヒントを探し得ようとしていた。

「ちょうどそのころ、巷にはだし茶漬けの専門店が増え始め、コンビニでもだしの利いたおにぎりが評判を呼び、さらにインターネットでもだしを使った料理が話題になり始めていました」

これは新しい商品の素材となり得る。和田さんはそう直感した。それは「ごまリッチ」の開発で得た経験に基づく直感といえた。その経験とは-。

新しいカテゴリーが購買層を広げる

「『ごまリッチ』の開発ではモニターの方たちに6種の試作品を食べていただきましたが、その中でもごまを主体にした試作品がもっとも高い評価を得たのです。それはつくり手としては意外に感じられた反応でした」

ごまはふりかけの具材としては定番だが、たまごやさけなどに比べれば脇役級の目立たない具材といえる。だからごまを主体にしたふりかけを試作してみたものの、開発者としては定番の具材を多く用いただけのふりかけであり、さほどの新規性を意識していなかった。

ところが、モニター(消費者)は違っていた。ごまが主体のふりかけなどこれまでの市場にはなく、目新しく新鮮に感じられた。また、ごまは健康にもよく、嫌いという人もそうめったにいない。新商品として非常に魅力的に映ったのだった。

いままでの市場にありそうでなかったと高く評価された「ごまリッチ」

いままでの市場にありそうでなかったと高く評価された「ごまリッチ」

そこでごはんに混ぜてもかけても使えるふりかけとして「ごまリッチ」を商品化した。従来の混ぜ込むタイプのふりかけは具材が大きくて硬く、かけるタイプは具材は小さいが塩分が少な目とそれぞれに特徴がある。その両方の特徴を活かした、ごまが主体(具材の70%がごま)のふりかけが「ごまリッチ」だった。

「『ごまリッチ』はいままでありそうでなかった商品と高い評価をいただきました。これほどまでにごまが評価されるとは予想していませんでしたが、新しいカテゴリーの商品を開発することで新しいお客さまを獲得できると実感しました」

ふりかけの購買層は20-40代の主婦が多いが、「ごまリッチ」の開発によってさらに購買層の年齢幅が広がっていった。新しいカテゴリーの商品を生み、かつその商品の用途(調理法)をさまざまに提案することによって、従来とは異なる新しい購買層も獲得できる。それを「ごまリッチ」の商品化後の環境分析によって明らかにし、その路線に則ってつぎの新商品のターゲットとしてだしを選んだ。

ふりかけのベースは塩味が常識だった

だしを主原料にした混ぜ込みタイプのふりかけをつくる。従来、ふりかけのベースは塩味だった。塩と具材で味をつくる。それがいわば常識だった。ところが、塩味ではなくだしを味のベースにする。前代未聞の商品といえた。

「ごまリッチ」を越える勢いでヒットした「だしむすび」

「ごまリッチ」を越える勢いでヒットした「だしむすび」

まず、だしは加熱の温度と時間によって味と風味が異なるため、味が強すぎたり、風味がたちすぎるといった両極端なだしにしてはいけない。ただし、だしをベースにしたふりかけだからだし感をたたせたいと考えたが、そうすることによってだし由来の生臭みやえぐみも強くなってしまう。そこで味と風味のバランスを図りながら、数10種類の試作を繰り返して最適なだしを追求していった。

さらにだしに加える具材の選定でも苦労した。塩味ベースのふりかけには風味の強い具材も使えるが、だしをベースにしているため風味の強い具材を用いるとだし感が抑えつけれらてしまう。例えば従来のふりかけでしそは定番の具材だったが、だしベースのふりかけには風味が強すぎて使えない。だしの風味を活かす具材選びに試行錯誤し、だしの種類に応じて青菜、昆布、わかめ、ごまをそれぞれ選び出した。

前作のヒット商品を凌ぐ勢い

開発から5カ月後の2012年1月、だしをベースにした混ぜ込みタイプのふりかけ「だしむすび」(かつおだし、昆布だし、あさりだしの3種類)を発売した。発売直後の1カ月の出荷数が「ごまリッチ」を越える勢いでヒットした。主な購買層は50、60代の主婦であり、これまでふりかけの市場では手薄な購買層だ。

「この購買層を取り込めたことは想定どおりの結果でした。『ごまリッチ』の開発で得た知見を活かし、新しいカテゴリーの商品を手薄な購買層の方々にも訴求できました」(和田さん)

最近の不景気で家庭でつくる弁当がブームになっているが、そのためにふりかけを購入するのは20-40代の主婦が中心だ。子どもや夫の弁当にふりかけを用いる世代であり、従来のふりかけ商品は50代以上の購買層にはなじみが薄かった。しかし、「だしむすび」はその層からも支持を得て、従来のふりかけ商品に比して50代以上の購買層の売上を15%アップさせた。

ごはんに混ぜ込むだけでなくお湯をかけてだし茶漬けにしてもおいしい。多様に楽しめるように塩分を微調整してある。従来にはない発想で新しいカテゴリーの商品を開発し、併せてさまざまな用途を提案する。ミツカンの新しいふりかけづくりがつぎに提供する商品はなんなのか。マーケットが期待を込めて待っている。

企業データ
株式会社ミツカン
代表取締役事業統括 野々山幸夫
愛知県半田市中村町2-6
掲載日:2012年7月18日


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