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飲食品でヒット商品をつくる


「あの人気商品はこうして開発された」
「バリ勝男クン」-オリジナリティのある鰹節商品をつくる
2009年12月、ブライダルなどの贈答品として開発された鰹節のスナック菓子が話題になった。「どこにいけば買えるの?」―開発会社には問合せが殺到した。話題の主は「バリ勝男クン」。地方のいち中小企業が全国区になるきっかけの商品だった。

鰹節を原料にしたポテトチップスのようなスナック菓子「バリ勝男クン」が静岡県を中心に話題を呼んでいる。発売したのは焼津市に本社を置くシーラックだ。

同社の創業は明治時代の鰹節製造会社(望月商店)に始まり、1946年に法人組織に改組(株式会社望月金作商店)し、87年に現在の社名であるシーラックに改称した。

一般商品にもできる!

同社の主力事業は贈答用の鰹節製造であり、結婚式の引出物や一般の贈答品を手がけている。あるとき、社内の営業マンから「ブライダルの展示会でお客さまがその場で食べられるような商品がほしい」という声が挙がった。鰹節は縁起のよい結婚式の引き出物としても広く認知されているが、ただの削節ではなく、アイデアを凝らした商品が求められた。

贈答品として開発された鰹節のスナック菓子「バリ勝男」。人気が上々で問い合わせが殺到した

贈答品として開発された鰹節のスナック菓子「バリ勝男」。人気が上々で問い合わせが殺到した

そこで思い浮かんだのが、手でつまめて軽く食べられるスナック菓子のようなものだった。この時点では望月洋平社長から商品化しても売れないだろうといわれたが、企画部次長の長谷川英則さんは結婚式の引出物や一般の贈答品として広く受け入れられると直感した。

「そこで望月社長にお願いしてなんとか商品化の許可を頂きました」

その結果、2009年12月に贈答品として鰹節のスナック菓子を開発した。それはチップス状の鰹節をしょうがじょう油などの調味料で甘辛く味付けしてオーブンで焼いたものだった。新商品に対する顧客の反応も上々で、贈答品として順調に売れていった。


ありそうでなかった商品

ここまではシーラックではよくある新商品の開発パターンだった。が、実際に引出物として商品を納品してみると、思いもかけない状況に遭遇した。「この商品はどこで買えるの?」という問合せが結婚式の参列者を中心にひっきりなしに舞い込んできたのだ。

「新商品を開発した当初はあくまでブライダルなどの贈答用でしたので、一般の商品にするつもりはまったくなかったのです」(長谷川さん)

とはいうものの、問い合わせは断続的にもたらされる。やがて問い合わせに応じているうちに、これだけの引き合いがあるのだから一般商品としても売れるのではないかと長谷川さんは判断した。ただ、贈答品用につくった商品をそのまま一般商品として販売するわけにはいかない。なぜなら、贈答品の市場は付加価値が重視されるが、一般商品の市場はいかに買いやすい商品にするかが重要になる。市場の性格がまったく異なるのだ。

そこで商品のコンセプトを「若い人が手軽に鰹節を食べられるようなスナック菓子」と新しく立て直し、食べるときのアクセントとしてピーナッツを加えた。また、手軽なスナック菓子というコンセプトに則してパッケージをおもしろおかしくするため、カツオの胴体に手足のついたゆるキャラを設定した。また、ネーミングはバリバリとした食感の表現とDHAパワーでバリバリ仕事をこなすという意味を込めて「バリ勝男クン」にした。ちなみに、鰹は古来から縁起のよい食べ物といわれ、戦いに勝ち帰るという意味にも解釈されている。そこで「勝男」を当て字として用い、縁起をかついだ勝負前のスナック菓子と設定した。

ピーナッツも加えて手軽なスナック菓子とした

ピーナッツも加えて手軽なスナック菓子とした

これを卸売業者に提案すると、「おもしろそう、これまでにありそうでなかった商品」と好反応が返ってきた。行けそうな手ごたえを得たシーラックは、発売前にはイベントでサンプルを配り積極的に新商品の訴求を図った。

そして10年9月にサークルK・サンクスで発売すると、飛ぶように売れていった。オリジナルキャラがゆる~く踊るユニークなテレビCMと地元スーパーへ販売チャネルを拡大したことからさらに売上げが上昇していった。

同社では、発売後の半年間の売上げを最大で20万個と予測したが、実際にはそれを大幅に上回る50万個を販売し(11年5月)、現在までに累積200万個を売り上げている。いまや地元・静岡県内のコンビニでは、スナック・おつまみコーナーの定番商品になるほどの人気だ。


焼津の鰹をもっと知ってもらおう

遠洋漁業の鰹の水揚げが日本一の焼津をもっと知ってもらいたいとの思いから、11年夏にはおみやげ用の「バリ勝男クン」(5袋入り)を開発した。静岡県内だけで販売しているが、これも順調に推移し、現在では静岡のみやげものとしての認知が広がっている。

おみやげ用の「バリ勝男クン」(5袋入り)は静岡みやげとして鉄道の駅や高速道路のサービスエリアで定着している

おみやげ用の「バリ勝男クン」(5袋入り)は静岡みやげとして鉄道の駅や高速道路のサービスエリアで定着している

マカデミアナッツを混ぜて高級感を醸し出す「プレミアムバリ勝男クン」

マカデミアナッツを混ぜて高級感を醸し出す「プレミアムバリ勝男クン」

一方、フレーバーもしょう油味についで一味とうがらし風味を開発し(11年夏)、消費者に向けて新しいバリ勝男クンを提案している。

10年9月の発売以降、店頭販売についてはいったん全国にも販路が広がったが、商品の生産・供給の関係から現在は地元および近県(愛知、三重、岐阜)を中心に商品展開している(全国からはネットで購入できる)。

12年にはブラダル限定の贈答品として「プレミアムバリ勝男クン」を開発した。ピーナッツに替えてマカデミアナッツを混ぜることでリッチな感覚を演出している。

「バリ勝男クン」は20-30代の男女が主な購買層だが、原料が鰹節であることから食育用に子育て中の母親から、また、油で揚げていないことからヘルシーな菓子として若い女性からの人気も高い。

「『バリ勝男クン』の開発によって、地方のいち中小企業のつくった商品が一旦は全国で知られるという夢がかないました」(長谷川さん)

今後は全国のどこでも店舗で買えるようにがんばっていく。中小企業のさらなるチャレジが続いていく。

企業データ
シーラック株式会社
代表取締役社長 望月洋平
静岡県焼津市高新田45-1
掲載日:2012年7月11日


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